"昭和44年、最終バスから消えた女性車掌" 第4話
営業所は備契約を失いたくなく、報告を認めた。
「母がいなくなったことを利用したんですね」
田は、の説だけだと反論した。紀子がどこへったかはらず、旧分でろしたのは事実だという。美は枚目の券面を拡した写真を机へ置いた。改札鋏は付だけでなく、乗区にわせてか所へ穴をける。切符は《県から旧分》として売られているが、の確認穴は《》の位置にあった。旧分の次の留所である。
内で切符を買うと、紀子は乗を打ち、する客から券を回収する際に確認穴を加えることがあった。の券にの穴があるなら、バスは旧分を通過したもを乗せていた。紀子が旧分でだけりたという田の証言とは両しない。
田は券面をく見た。の穴が、自分の言葉より残るとはわなかったのだろう。美は録音を机に置き、いまから話す内容を記録してよいか尋ねた。田は度拒み、翌、弁護士を通じて会うと連絡してきた。
度目の面会で、彼はが乗っていたことを認めた。県駅でだった子を紀子が見つけ、自分の財布から児運賃を払った。旧分にづくと、誠は座席のへ隠れ、「へ返さないで」
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と泣いた。紀子は終点までき、学の教師へ相談すると言った。
ところが旧分を過ぎたで、島のトラックがバスを追い越し、を塞いだ。島は内へ乗り込み、誠の腕をつかもうとした。紀子がへ入り、子どもを返すに事を聞くべきだと止めた。誠は部扉から逃げ、紀子も掌鞄と套を置いたまま追った。は旧鉱の運搬へ入った。
田は乗客を乗せたまま待てなかった、と言った。島が「の問題だ」と鳴り、紀子はで庫へ戻ると考えた。彼はバスを発させ、終点で《紀子は旧分でりた》と報告した。島に頼まれたのではなく、自分が子どもを置きりにした責任を隠すためだったという。
美は、田が語らなかった部分を確認した。島との借、万円の偽装、岸に置かれた革靴。田は靴についてらないと答えたが、線を机からした。母の最の目撃所は旧分ではない。島のトラックが止めた、鉱へ続くだった。
信子の庭訪問記録には、誠がいたい作文が挟まれていた。《父の仕事》という題で、坑のは夜でも昼でも同じ暗さだといている。父のに聞いた話をもとにした作文で、最に《きくなったら、なぜ崩れたか調べる》とある。歳の誠が県の会社へったのは、から逃げるだけでなく、父の事故記録を見つける目があった。
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子についても、美は方に子どもを見捨てた母と決めなかった。再婚、島から暴力を受け、誠を庇うと自分も納へ閉じ込められたという隣証言があった。失踪にをたのも、自分のか分からない。阪の施設記録には、子が度だけ息子の所を問いわせたが残る。返送先がなく、職員は回答できなかった。
誠が成も母を探さなかったのは、紀子から《あなたのお母さんも逃げる所がなかったのかもしれない》と言われた記憶があったからだ。憎まないというではない。会えば島のもとへ戻らなかった理由を聞き、答えによっては度傷つく。誠は自分が教師として暮らせるようになってからも、その問いを保留していた。
英の告を聞いた夜、美は父の台所で、母が使っていた裁縫箱を見つけた。針、糸切り鋏、紺の糸。父は捨てず、制の当て布をしたの具として説もしなかった。物を残すことと、そのを待つことは同じではない。英は妻の痕跡をに置きながら、娘には忘れるよう求めていた。
瀬誠の父、清志は鉱業の坑内作業員だった。昭、落盤事故でし、会社は規定の補償を妻の子へ支払った。、子は鉱の請けをしていた島龍蔵と再婚する。
誠は瀬姓のまま島で暮らしたが、学籍簿の保護者欄は途から鉛でき換えられていた。
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