"昭和44年、最終バスから消えた女性車掌" 第5話
担任だった野々信子は、美に当の庭訪問記録を見せた。誠はでも同じを着て、授業に眠ることが増えていた。腕に痣を見つけ、信子は子へ事を聞いたが、「で転んだ」と説された。には児童相談所の常設窓がなく、通報するには町役か警察を通す。信子はへ報告したものの、島が学の用炭を納めていたため、庭の問題へ踏み込むなと止められた。
「私は度、紀子さんに相談しました」
誠がバスで県へた、学は休みだった。信子は、が父の勤めた鉱業会社を探しにくつもりだと聞いていたが、本気だとわなかった。夕方になって戻らず、線を担当する紀子へ、見かけたららせてほしいと営業所へ話した。紀子が誠に気づいたのは偶然ではなく、教師から捜してほしいと頼まれていたからだった。
ではなぜ、信子は警察へその事実を話さなかったのか。紀子失踪の翌朝、と島が職員へ来た。誠は親族が引き取り、阪へ移る。教師が子どもをそそのかしさせたとられれば学の責任になる、と言われた。信子は誠が無事だと信じ、転類を作った。実際の転先を尋ねても、島はで送ると答えたまま提しなかった。
「菓子缶は先が隠したんですか」
信子は首を振った。
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章もフィルムも初めて見たという。ただし昭代の終わり、歳の男性が廃の分を訪ね、根裏へがったことがある。男は瀬誠と名乗り、紀子の族がどこにいるか聞いた。信子は英の所を教えた。数、男はもう度学へ来たが、族に会えなかったと言い、何かを根裏へ置いた。
菓子缶を残したのは誠だった。彼はきて成していた。信子は所を聞かず、阪の児童施設で育ったという話だけ覚えている。美は父の所へ戻り、昭末から翌までの帳簿を調べた。正式な従業員名簿に誠はいない。しかし雑費帳には、毎週《まこと費》《子供靴》《診療所》という支がある。
材乾燥庫の奥には、古い寝台が残っていた。父は誠をここへ隠していたのか。美が帳簿を見せると、英は逃げずに子へ座った。紀子が失踪した翌の午、裏を叩いたという。肩を傷めた誠を連れ、はで濡れていた。紀子は夫へ、朝まで子どもを匿ってほしいと頼んだ。
「母さんもに戻ったの?」
「戻った。おが寝ている階のまで来た」
英は妻を警察へ連れてこうとした。紀子はそのに、鉱業会社の旧事務所から誠の父の事故記録と、ほかの子どもを採で働かせた名簿を取る必があると言った。
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島が証拠を処分するに確保し、県警へ持参するつもりだった。紀子は夜けにをた。
美は、母が階で眠る娘へ声を掛けなかった理由を尋ねた。英は「すぐ戻るとっていた」と答えた。そのの午、島が所へ来た。誠を返さなければへをつけ、紀子とが以から関係していたとへ話す。英は子どもを渡さなかったが、警察へもかなかった。
母はを盗んでいなかった。目のもきてまで来ていた。最初のつの答えがたとき、美のにはさらにきな問いが残った。父は誠を守った。それなのに、鉱業会社へ向かった妻をなぜ捜さず、、娘にまで「逃げた」だとわせたのか。
英の姉、澄はまだ民宿を続けていた。誠を預かったことを尋ねると、最初に弟へ止めされたと認めた。当、宿泊者はの宿帳へ所と名をく必があり、元を隠した子どもを泊めれば問題になる。澄は誠を親戚として帳の奥へ置き、客ではなく自分の息子と同じ部で眠らせた。
「あの子が悪いことをしたとはわなかった。でも、警察が来たら弟のも私の宿も終わるとった」
澄は、島が度民宿へ来たことも話した。誠の写真を見せ、《盗んだ子を隠せば誘拐になる》と脅した。
彼女はらないと答え、を押し入れへ隠した。そのでは守れたが、警察や学へ相談する発はなかった。の力者と族の商売を敵に回す恐怖が、制度へつながるを狭くしていた。
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