"昭和44年、最終バスから消えた女性車掌" 第6話
阪の施設へ送る際、英は誠に選択肢を説していない。全な所へくとだけ言い、列へ乗せた。誠はまたに先を決められたとじ、施設到着しばらくをきかなかった。保護する必があっても、本へ何をらせるかは別の問題だ。美は父へそのことを伝え、現の所を勝にろうとしないよう約束させた。
英は、誠を材乾燥庫へ半も閉じ込めていたわけではないと話した。最初のだけ、奥の寝台で眠らせた。昼は従業員が入りするため、英の姉が営むの民宿へ移し、夜に医師を呼んだ。肩の捻挫と背の打撲があり、栄養状態も悪かった。診療所の帳簿には別名で《藤誠、歳》と記録されている。
美は父が子どもを助けたまで否定したくなかった。島に見つかれば連れ戻される危険があり、当ので警察が庭内の問題をどう扱うかも分からない。それでも、英が妻の失踪を届ける際、誠のを度も話さなかった事実は残る。紀子が最に向かった所をりながら、県駅や川ばかりを捜す警察を止めなかった。
「母さんが鉱業会社へったと、どうして言わなかったの」
英は島の脅しを繰り返した。を燃やされれば従業員も族も暮らせない。誠を警察へせば、としてまず継父へ戻されるかもしれない。
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紀子は証拠を持って県警へくと言ったから、自分がかなくても翌には帰るとった。が過ぎるほど、最初に黙った理由を説できなくなったという。
失踪から目、越交通の所が万円の弁償を求めてきた。英は紀子が受け取っていないとっていたが、そので払った。島が同席し、《を持った妻をまだ信じるのか》とわざと所に聞こえる声で言った。英が反論しなかったため、妻の貞と盗の噂が事実として広がった。
「の子どもを守るには、ほかに方法がなかった」
英がそう言うと、美は帳簿を閉じた。「お父さんは誠君を守った。でも私には、母親を悪いだとってきる方法しか残さなかった。どちらの子どもを傷つけるか、で決めただけでしょう」。父は言い返さなかった。自分がしたことを善の言葉へまとめれば、娘が過ごしたまで正当化することになる。
誠は昭、英のである僧侶を通じ、阪の児童養護施設へ入った。母の子は島とともにをれ、親権を使する連絡先が途絶えていた。施設側は庭裁判所と相談し、保護を継続した。英が保管していた紹介状の控えには、誠が自分の姓を名乗りたいと希望したとある。帳簿の《藤誠》は戸籍を偽造した記録ではなく、診療所と民宿で使った仮名だった。
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美は阪の施設へ照会した。個報のため現の所は教えられないが、施設から本へ連絡を転送できるという。彼女は母の娘であること、旧分で菓子缶を見つけたことだけをいた。会いたいとも、説してほしいとも求しなかった。誠が再び過を話すかは、彼自が決めるべきだった。
週、話が来た。瀬誠は阪府内の学で社会科を教えていた。菓子缶を置いたことを認め、母の章とフィルムは紀子から受け取った物だと話した。ただし渡されたのは失踪の夜ではない。翌朝、藤へ戻ったとき、紀子が袋へ入れ、誠に預けたという。
「紀子さんは、娘さんに渡してと言いました。でも英さんが、今は見せないほうがいいと」
誠は子どもだった。父に逆らって美へづけば居所が島にられるとい、袋を持ったまま阪へった。成、度川へ戻ったが、英は母の話を拒んだ。美は既に教師としてをれており、突然会って過を渡す勇気がなかった。そこで母と会った旧分へ缶を隠した。
「母は、どこへ向かうと言いましたか」
誠は、《瀬清志が働いた会社の事務所へく》と聞いた。父の事故は単なる落盤ではなく、全確認を省いた発破作業が原因だった。島は会社から止めのを受け取り、子との再婚、そので備を拡した。
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