みかん小説
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"目覚めた部下にクビを問われた" 第4話

画面を見ると、本社の法務監査部、松永(まつなが)からの着信だった。

私はネクタイをし緩め、息をえてから通話ボタンを押した。

「……坂井です」

『坂井支配森主任の識が戻ったそうですね』 松永の械のように平坦な声が、元に届いた。 『ちょうどよかった。今、私と監査のがそちらの病院のロビーに到着しました。階の面談を押さえてあります。至急、りてきていただけますか。災事故に関する、極めてな確認事項があります』

階の奥にある暗い面談には、仕てのいい濃紺のスーツを着た男が、すでにパイプ子に腰掛けていた。

本社の法務監査部次・松永と、コンプライアンス担当の弁護士だった。 机のには、すでに分いクリアファイルと、警察・消防のロゴが入った文のコピーが広げられている。

「煙を吸われたそうですね。ご無事で何よりです」 松永は形式な労いの言葉をにしたが、その線はまったく笑っていなかった。 元の類をトントンと机で揃えながら、単刀直入に本題に入った。

元消防署および警察による、現検証の報告が入りました。原因そのものは、厨ダクト内の油煙への引。これは設備の定期清掃基準を満たしていたかどうかの問題として、施設管理側の過失が問われることになります」

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「……はい。それは私の責任です」 私が答えると、松永はわずかに眉をひそめ、首を横に振った。

「問題は、原因ではありません。被害の拡因です」

松永は枚のフロア図面を私のに滑らせた。 別館階の平面図だった。

「別館階の避難階段へと通じる、防区画の防扉です。あの扉は本来、煙器と連して自閉鎖しつつも、避難者が押しバーを押せば容易にき、階段へ脱できる仕様になっているはずでした」

「ええ、そうです。法定点検も通っています」

「ですが、災当夜、あの防扉は階段側へかない状態になっていました」

私の臓が、ドクンとねた。

かない……? どういうことですか」

「非常放用のレバーが、内側から完全にロックピンで固定され、でも押しけられない状態になっていたんです」 松永のたい声が、面談の密閉された空く落ちた。 「そのせいで、階の奥の客にいた齢の宿泊客名が逃げを失い、煙に巻かれかけた。そして――その名を救するために、わざわざマスターキーを持って元である階へ引き返したのが、森主任でしたね」

災の夜の景が、フラッシュバックのように脳裏に蘇った。 煙が吹きす非常階段ので、咳き込みながら逃げてきた客たちが叫んでいたのだ。 『扉がかない! 押しても引いてもビクともしないんだ!』と。

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それを聞いた森さんが、私の制止を振り切って、濡れタオルをに当てて別館へ駆け戻っていったのだ。

「なぜ……ロックピンがりていたんですか? 誰がそんなことを……」

「それを、々はあなたに、そして森主任に確認したいのです」 松永はを乗りし、鋭いで私を見据えた。 「防扉の点検および施錠管理は、客部の常業務マニュアルに含まれていますね。当報によれば、別館の最終巡回を担当したのは森主任、あなたです」

指先が、スッとたくなっていくのが分かった。

「……森さんが、誤ってロックピンを落としたと、そう言いたいのですか?」

能性の話をしています」 松永は然と言い放った。 「もし、これが設備の構造欠陥や、旅館側の全管理体制の備――つまり組織な過失と判断されれば、翠閣は営業止処分を免れません。本社のグループ全体にとっても、致命なブランド毀損になります。ですが……」

松永は言葉を切り、机ののボールペンを指先で弄んだ。

「もし、現の従業員が、独断で、あるいは過失によってマニュアルにない施錠をい、それが原因で避難が遅れたのだとすれば――話は変わってきます。旅館としての全管理マニュアルは適切に運用されていたが、個なヒューマンエラーが発した。会社側は被害者であり、その従業員に対する監督責任を問われるに留まる」

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