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"夫の毒膳と孫の告発〜元科捜研妻の科学鑑定〜" 第2話

保育器のようなベビーベッドのに、奇跡にかすり傷ひとつ負わずに助かった陽太が寝かされていた。

まだ歳にも満たない幼い陽太は、駆け寄って涙を流す私の顔を見げると、何もらずにキャッキャと無邪気にをバタつかせ、らしい笑顔を向けてくれたのだ。

そのあどけない笑顔を見た瞬、私の目から涙がとめどなく溢れし、止まらなくなった。

両親からの無償のをに受け、温かな庭で健やかに育つはずだった未来を、瞬の理尽な事故によって永に奪われてしまった陽太。このさな命が、憫で、憫でならなかった。

「私たちが、この子を育てるのよ。唯と結さんの分まで、命に代えてもこの子を守り抜くの」

病の片隅で、私は固く誓った。国彦もまた、涙に濡れた顔でさく頷き、陽太のさなを握りしめた。

こうして、私たちは幼い陽太を引き取り、老夫婦で育てる々が始まったのである。

あれからという歳が流れた。

陽太は歳になり、所の幼稚園へと元気に通うようになった。唯の面を残す利発で優しい男の子に育ち、私たち夫婦の活の唯の希望であり、きがいとなっていた。

しかし――唯たちがくなってから半ほどが過ぎた頃から、私の体には原因の分からない異変が頻繁に起こるようになっていた。

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朝、目を覚まして起きがろうとすると、界がぐるりと激しく回転するような酷い目眩に襲われる。ちがろうとしても元がおぼつかず、壁にをついてそのにしゃがみ込むこともしばしばだった。には、を万力で締め付けられるような激しい痛に襲われ、吐き気に苛まれるもあった。

所の総病院や脳神経科へを運び、MRIや血液検査など精密検査を幾度も受けた。しかし、医師から告げられる診断結果は、いつも決まり切ったものだった。

「どこにも器質な異常は見当たりませんね。やはり、最の息子さんご夫婦を突然の事故でくされたショック……因性のストレス、労が原因でしょう。自律神経がひどく乱れてしまっているようです」

医師は同を込めた差しでそう告げるばかりで、根本な治療法や解決策は見つからなかった。

最の息子と嫁の突然の。それが私のに計りれない傷を残したことは紛れもない事実だった。それでも、遺された陽太を派に育てげなければならないというい使命から、自分なりにはしみを乗り越え、を向いてきているつもりだった。

あるの夕暮れ、居のソファーで目眩に耐えながら横たわっていた私に、国彦が温かい湯を運んできてくれた。

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「礼子、自分じゃ気づかないところで、体が鳴をげてるのかもしれないなあ」

「そうなのかしら……。もちろん、寂しさは消えないけれど、だからってろばかり向いているつもりはないのよ。陽太のためにも、しっかりしなくちゃいけないんだから」

「もしかしたら、その『しっかりしなきゃ』って気持ちが、らずらずのうちに無理をねさせているのかもな」

国彦の気遣わしげな言葉に、私は力なく息を吐いた。自分では気づかないストレスが原因なのだとすれば、この調を治すにはいがかかるのかもしれないと、苦しい気持ちになった。

そんな私の様子を見かねたのか、数、国彦がつのい遮ボトルを差ししてきた。

「礼子、久しぶりの子育ての疲れもあるんだろう。これ、試してみないか? SNSで今すごく話題になっているビタミン剤のサプリメントなんだ。実際にんで体調が劇に良くなったって言ってるもたくさんいるみたいだからさ。騙されたとって、毎んでみたらどうだ?」

ボトルには、確かに製の名なマルチビタミンのラベルが貼られていた。夫の細やかな気遣いが胸に染み入る。

「ありがとう、国彦。速試してみるわね」

そのから、私は国彦に言われた通り、毎に粒ずつ、回そのサプリメントをでむようになった。

すると議なことに、み始めて週ほどが経つと、あれほどかった痛がらぎ、朝の目眩もしずつ引いていったのだ。

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