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"夫の毒膳と孫の告発〜元科捜研妻の科学鑑定〜" 第7話

静まり返った所のソファーで、陽太が私のの裾をぎゅっと引っ張った。

「おばあちゃん……おじいちゃんね、々すっごく怖い顔してるんだ」

「え……? そうなの、陽太?」

「うん。僕が『おじいちゃん』って呼ぶと、いつものニコニコのお顔に戻るんだけど……そのは、鬼みたいな怖い顔をしてるの。もしかしておじいちゃん、おばあちゃんのこと……」

陽太のきな瞳に、粒の涙がじわりと滲みした。

歳の幼いなりに、庭内に漂う異様な穏さを敏に察していたのだ。

私は胸が張り裂けそうになりながら、陽太を抱きしめた。

「丈夫よ、陽太。おばあちゃんはいから。それに今だって、陽太が救急を呼んでおばあちゃんを助けてくれたじゃない。陽太が守ってくれたんだから、何も怖くないわ」

それから分ほどが経過した頃、分析のドアがき、所がに戻ってきた。

元に握られたプリントアウトされたスペクトル波形のグラフ。その表は、凍りつくように険しかった。

「……所、どうだったの?」

私の問いに、所は息をく吸い込み、正面から私の目を見据えた。

「単刀直入に申しげます。まず、このサプリメントですが……の錠剤そのものは販のマルチビタミン剤です。ただ――錠剤の表面全体に、極めて濃度の末状の眠薬がまぶされるように付着していました」

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胸の奥で、何かがたく砕け散る音がした。

「それから、こちらの筑煮ですが……」

所は厳しい調をねた。

「スープからも具材の表面からも、致量にい濃度の同成分の眠薬が量に検されました。であっても、度にすべて摂取すれば呼吸抑制を引き起こしてに至る危険があるほどの量です」

その言葉を聞いた瞬、私の目のが真っ暗になった。

筑煮は、私が留守にべるためだけでなく、陽太も好物として普段からにする庭料理だった。

そこへ致量の眠薬を混入させていたということは――夫は、私を毒殺しようとしていただけではない。

この罪のない歳の孫、陽太の命までも、平然と巻き添えにしてき者にしようとしていたのだ。

あまりの残酷な現実に、私は言葉を失い、全の震えを止めることができなかった。

そのだった。

バッグのの私のスマートフォンが、けたたましい着信音を鳴り響かせた。

液晶画面に表示された発信者の名――『夫・国彦』。

画面を見つめる私の全を、かつて経験したことのない激しい恐怖と戦慄が支配した。

「なくていいんですか、礼子さん?」

配そうに覗き込む所に対し、私は首を横に振った。

「いいえ……ないわ。きっとあいつは、私の『確認』がしたいだけなのよ」

筑煮をべて私がんだ頃いを見計らい、話をかけてきているのだ。

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もし私が話にてしまえば、夫は舌打ちをして悔しがるのだろうか。それとも今、話の向こうで私のを確信してほくそ笑んでいるのだろうか。

胸のに黒々とした嫌悪が渦巻き、私は着信を拒否するように画面を伏せた。

「礼子さん、これからどうされるおつもりですか?」

所の真剣な問いに、私は膝ので固く握りしめた拳を見つめた。

「陽太のこともあるわ。このまま黙って逃げ隠れするわけにはいかない。……あいつと、直接決着をつけなければならないわ」

「危険すぎます! 眠薬の混入がバレたとったら、あの男がどんな暴挙にるか分かりません!」

「分かっているわ。だけど、あいつのい通りにだけは絶対にさせたくないの」

私の揺るぎない覚悟を悟ったのか、所は真剣な面持ちで頷いた。

「分かりました。それなら、陽太君は警察と連携が取れるまで私が責任を持ってお預かりします。礼子さん、もししでもの危険をじたら、迷わず逃げて通報してくださいね」

「ありがとう、所」

私は泣きそうになる陽太のをもう度撫で、「すぐに戻るからね」と言い含めると、夜の帳がりたへとで歩みした。

自宅のに辿り着いたのは、夜のを回った頃だった。

見げると、階のリビングの窓にかりが灯っていた。

張はあと残っているはずだった。

それにもかかわらず、夫がすでに帰宅している。

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