"母の還暦祝いで家を奪おうとした夫" 第8話
自分をに世界が回ることに慣れているだ。
責められることよりも、急に誰も自分に寄り添わなくなることに番耐えられないのだ。
会社に着くと、私は自宅から持ちした古いマンションに関する資料を取りした。
もちろん、権利は入っていない。
本当に切なものは、すでに母のに移してある。
バッグのには、コピーと管理費の請求がある。
そして、わざと作成した『計の資産理リスト』だけだ。
そこには古いマンションの査定額、母の老資の計画、買い替えの予算、夫婦の共同座の残がかれている。
番の余には、きな字で見しをつけた。
『誕会の話しい事項』
佐藤さんがそのリストを見て、をあんぐりとけた。
「ゆか、これ完全に罠じゃないの」
私は類を爪で弾いた。
「魚がいついて初めて、罠と呼べるのよ」
私はたく微笑んだ。
「旦さんは魚かしらねえ」
佐藤さんは慌ててを振った。
「わかった。もうししない。とばっちりはごめんだわ」
午半、レオはやはりやってきた。
今回は事の連絡もなく、直接オフィスの入りにった。
スイーツの袋を提げていた。
受付のさんが、また羨ましそうな声をげる。
「レオさん、本当に素敵ですね」
私はすぐにちがらず、机のにあのリストが半分はみすように置いた。
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レオがづいてきて、スイーツを置いた。
その、彼の線が自然にリストをなぞり、すぐに逸らされるのが分かった。
すぎる。
まるで魚を見つけた猫が、見て見ぬふりをするかのような素さだった。
彼は穏やかな声で、尋ねた。
「まだ終わらないの?」
私はわざとファイルを端に押しやった。
「誕会の方で、確認することがいくつかあって」
彼は私の机ののペンを揃えながら、労うように言った。
「お疲れ様。そういうのは俺に任せてくれればいいのに」
彼は優しく微笑んだ。
「ゆかはもう分頑張ってるんだから」
私は彼を見げて、答えた。
「あなたばかりに頼ってはいられないわ」
私がそう言うと、彼はらかにほっと気を緩めた。
レオはこういう言葉を聞くのが番好きなのだ。
自分が庭のにち、皆から謝されているとじられるから。
でも彼はらない。
あの夜から、私の褒め言葉は全て鍋にをす為だということを。
が満杯になればなるほど、沸騰したに激しくび散るのだ。
その夜、私はわざと夜のまで残業した。
レオは隣で待っている、回スマートフォンを確認し、通のメッセージを返した。
私がパソコンの画面を見ているとっているようだった。
だが、モニターの反射に映る彼の苛った顔を、私ははっきりと見ていた。
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佐藤さんが湯からフライパンを抱えててきた。
彼女はわざときな声で、彼に呼びかけた。
「レオさん、来週の会社のファミリーデー、絶対来てくださいね!」
彼女は私にウインクして、続けた。
「ゆかが普段どれだけこき使われてるか、族の方にも見てもらわないと」
レオは品に笑った。
「がえば、非伺いますよ」
佐藤さんは引に迫った。
「なんて作ってください。うちの部、族の方から『妻はでも頑張ってます』って話を聞くのが好きなんですから」
私はわず吹きしそうになった。
レオはざらでもない様子で、頷いた。
「ゆかはでも本当によくやってくれていますよ」
佐藤さんはげさに舌打ちをした。
そして、私に向かってパクで伝えた。
『彼、演技うますぎ』
私は黙って、キーボードを叩き続けた。
ファミリーデーは、会社が文化アピールのためにくイベントだ。
族が見学に来て、お茶をみ、写真を撮るだけ。
以は面倒だからと、レオを呼んだことはなかった。
でも今回、私は自ら招待状を彼に渡した。
帰りのので、彼は議そうに聞いた。
「どうして急に、俺を呼ぶ気になったんだ?」
私はシートに背を預けて、答えた。
「みんながあなたに会ってみたいって言うから」
私は窓のを見ながら、言葉を濁した。
「好奇よ」
彼は笑った。
「何が好奇だよ」
私は彼の方を向いて、説した。
「どうして私の旦さんは毎回お迎えに来てくれるのかって、みんなあなたを褒めてるのよ」
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