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"母の還暦祝いで家を奪おうとした夫" 第9話

内が瞬静まり、レオの角がゆっくりとがった。

彼は褒められるのが好きだ。

特に私のコミュニティので褒められることに、確かな成功の証をじているのだ。

私と結婚したことは、彼にとってただのではない。

ある種のステータスの獲得でもあったのだ。

彼の調がしくなった。

「なら、しっかり良いところを見せないとな」

彼はハンドルを握り直した。

「ゆかに恥はかかせられない」

私は方の灯を見つめながら、言った。

「あなたは今まで、私に恥をかかせたことなんて度もないわ」

それは本当のことだった。

過、彼がで私に恥をかかせたことはない。

私の同僚にコーヒーを差し入れし、母の所ののではいお米を運んだ。

親戚の集まりでは、私の代わりにお酒をんでくれた。

彼は完璧な夫という役を、あまりにも真剣に演じ続けてきたのだ。

その役がもたらす活力を、彼自がから楽しんでいる。

そのことを、私すら忘れてしまうほどに。

翌の午、私は次のステップにんだ。

レオの取引先であるさんに、メッセージを送った。

さんは現実で、常に損得勘定でくタイプのビジネスマンだ。

レオと共同でめている商業プロジェクトがある。

以レオが、ゆかの会社のコネクションを使ってイベントができないかと話していたのをいした。

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私はいつも彼の仕事にはをさず断ってきたが、今回は自らコーヒーに誘った。

さんはすぐにやってきた。

席に着くなり、保温ボトルからお茶を注ぐ。

彼は驚いたように、私に言った。

「ゆかさんから誘ってくれるなんて、珍しいですね」

私は奥さんと呼ばれるのが好きではなかったが、訂正はしなかった。

私は単刀直入に切りした。

「レオから、プロジェクトの契約がいと聞きましたよ」

さんは笑った。

「あと息ってところです」

彼はお茶をみ、語り始めた。

「レオさんからは、ゆかさんの繋がりでの渡しだけじゃなく、々実の資産理でまとまった資も用できるとに説かれていましてね」

彼は値踏みするように、私を見た。

「商売は商売、柄は柄。資とコネの裏付けがあるなら、信用して乗る価値はありますから」

私はコーヒーをゆっくりと混ぜた。

「彼はうちの母の誕会のことは、話していましたか?」

さんは頷いた。

「ええ、盛にやるとか」

私はにっこりと笑って、提案した。

「なら、さんもいらしてください。賑やかな方がいいですから」

さんの目のがし変わった。

商売は、賑やかという言葉に敏だ。

そこには脈があり、チャンスがあり、交換できる何かがあるからだ。

彼は慮がちに聞いた。

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「お邪魔じゃありませんか?」

私は首を振った。

「とんでもない。レオの友は私の友でもありますから」

彼は湯呑みを持ちげ、咳払いをした。

目を細めて私を見た。

「ゆかさん、今はただの事の誘いじゃないですね」

私は現実なと付きうのが好きだ。

現実なは必ずしも善ではないが、理解しやすいからだ。

彼らは建を嫌い、何に価値があり、どの関係が役につかをっている。

レオが彼の望むものを提供できないと分かれば、彼は自分で秤にかけるはずだ。

私は静かに言った。

「のことでレオは々と配しているようですが、私は物事をしっかりと見極めてからじゃないと頷かない性質なんです」

さんのが止まった。

これで分だ。

彼はすぐに私側に着くわけではない。

だが、レオの価値をもう度計算し直すはずだ。

会社に戻ると、佐藤さんが聞いてきた。

「どう?あの古狸はいついた?」

私は訂正した。

「変な呼び方しないで。彼はまだ私に何も悪いことはしてないわ」

佐藤さんは肩をすくめた。

「遅かれかれよ」

彼女は真剣な顔で、私を見た。

「今のゆかは、周りのを全員チェスの駒みたいに見てる。正直、ちょっと怖いわ」

私は机のペンを本ずつ片付けながら、答えた。

「私も怖いわ」

それは本だった。

私はまれつき計算いではない。

こんなことを始めた当初は吐き気がし、悸がした。

夜に目が覚めては、私も悪いになってしまったのだろうかと悩んだ。

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