"母の還暦祝いで家を奪おうとした夫" 第10話
でも、ようやく気づいたのだ。
悪がナイフを持ってやってきた、枕を抱きしめて「私は優しいです」と泣き叫ぶわけにはいかない。
優しさは、自分が切り刻まれるための理由にはならないのだ。
ファミリーデーの、レオは分く到着した。
私がプレゼントしたカフスボタンをつけた、いブルーのシャツを着ていた。
革靴は鏡のように磨きげられていた。
受付のさんが彼を褒めると、彼は笑顔で「ありがとう」と言った。
そして、持参したお菓子を皆に配った。
佐藤さんが私の元で囁いた。
「鳥肌がつわ。理の夫コンテストにでも馬する気かしら?」
私は混みので、余裕たっぷりに挨拶を交わすレオを見つめた。
かえってが落ち着くのをじた。
彼がこの台を楽しめば楽しむほど、台の照がいつでも切り替わるということを忘れてしまうからだ。
イベントが始まる、私はバッグからあの計の資産理リストを取りした。
会社の資料のに挟んで、彼に渡した。
私は彼に声をかけた。
「ちょっと持ってて。お洗いにってくるから」
彼が受け取った、親指がの端を押さえた。
私が歩歩いて振り返ると、彼はすでに目を落としてそれを読んでいた。
その瞬、私のにりはなかった。
ただ、たい確信だけがあった。
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廊の突き当たりにつ佐藤さんが、スマートフォンを掲げた。
『全部撮ったわよ』と図した。
私は軽く頷いた。
魚が罠にいつく、面がきく波つとは限らない。
渇いたが、瞬だけ目を伏せるだけのことなのだ。
義母がに来た、彼女はタッパーに詰めた根の漬物を持参した。
彼女が来るは、必ず何かを持ってくる。
価なものではないが、必ずみのあるものだ。
ければいほど、姑としてのがくなるとっているようだった。
作りの漬物のタッパーを、彼女はダイニングテーブルのど真んに置いた。
彼女は恩着せがましく言った。
「ゆかさん、これ私が漬けた根のぬか漬けよ」
彼女はレオを見て、微笑んだ。
「レオが好きでね。で買うものなんて、添加物が何が入ってるか分かったもんじゃないから」
私はキッチンへ鉢を取りにった。
「どうぞ座ってください」
義母は座らず、まずリビングをぐるりと見渡した。
彼女の線はとても興いものだ。
ソファを見るは、嫁が計をやりくりできているかを探る。
蔵庫を見るは、息子の世話をちゃんとしているかを探る。
そして靴箱を見るは、このの主導権はどちらにあるかを探っているのだ。
レオは彼女の着を受け取り、親孝な息子を演じた。
「母さん、来るなら事に連絡してくれれば迎えにったのに」
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義母は目尻をげて笑った。
「まだ歩けなくなるほどは取ってないわよ」
彼女は私の方を向いて、言った。
「それに、あなたじゃなくてゆかさんの顔を見に来たの」
そう言って私に慈に満ちた線を向けた。
だが、その言葉は鈍い刃のようにくのしかかった。
義母はソファに腰をろし、切りした。
「レオから聞いたわ。お母さんの誕会、盛にやるんですってね」
彼女はお茶をみ、言葉を続けた。
「いいことよ。の節目だもの、賑やかにやって厄落とししないと」
私は鉢をテーブルに置いた。
「母は元気ですから、厄落としなんて必ありませんよ」
義母の笑顔が瞬引きつり、すぐにまた作られた。
彼女は諭すように言った。
「言葉の綾よ。でもね、お寄りは将来のことを考えなきゃいけないわ」
彼女は私をじっと見て、核に触れた。
「お母さん、であの古いマンションにんでるんでしょう?」
彼女はげさに眉をひそめた。
「階段もきついし、配じゃないの?」
レオは横で黙ったまま、義母にお茶を注いでいた。
見事な連携だ。
がナイフを渡し、もうが見て見ぬふりをする。
私は座り、平然とした調で言った。
「配ですね。だから誕会のに業者を呼んで、すりや滑り止めをつけようとっているんです」
義母は顔をしかめた。
「そんなの気休めでしょう。私ならを買い替えるべきだとうわ」
彼女はを乗りして、主張した。
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