みかん小説
本棚

"母の還暦祝いで家を奪おうとした夫" 第27話

「お、あの……!」

私は再ボタンを押した。

彼の声がスマートフォンから流れし、静かな部に鮮に響き渡った。

『ゆかはまだ何も気づいていないよ。あのマンションは、誕会さえ終われば俺たちのものになるから』

誰として箸をかす者はいなかった。

録音は続く。

『彼女はに脆くて面倒なことを嫌がるし、世体も気にする』

スピーカーからの声は無に響く。

『親戚がを揃えて勧めて、お義母さんがすれば、彼女は絶対に頷くよ』

私は目を閉じた。

目尻から筋の涙が滑り落ちた。

おばさんが机を叩いてちがった。

「レオ、あんたそれでもの言うことかい!」

義母が慌てふためいた。

「そ、その録音、切り貼りされたものかもしれないじゃない!」

私は次のデータを再した。

廊で、義母がレオに向かって言った言葉だ。

『でどう遊ぼうと勝だけど、計画の邪魔だけはしないでちょうだい』

義母の顔から瞬で血の気が失せた。

をパクパクさせたまま、言葉がてこない。

まゆも耐えきれなくなった。

彼女はレオを睨みつけた。

その目にはなく、ただ恥をかかされたことへの激しい憎悪だけがあった。

「でどう遊ぼうと、ですって?」

彼女は笑した。

「レオ、あんたお母さんに私のことそう言ってたわけ?」

レオが鳴った。

「黙れ!」

まゆの声はヒステリックに甲く響いた。

広告

「どうして私が黙らなきゃいけないの!」

彼女は全てをぶちまけた。

「奥さんとはもうえ切ってる、がに入ったら婚するって言ったじゃない!」

彼女は泣き叫んだ。

「私に待てって言うから半も待ったのに!」

彼女はレオを指差した。

「結局あんたは、私のことまで利用してたのね!」

宴会は完全に爆発した。

親戚たちが々に鳴り始め、子供たちはに連れされた。

ウェイターはドアのにったまま、入ることもがることもできない。

レオはステージので、スポットライトに縫い付けられたようにち尽くしていた。

彼が番恐れていた恥。

その体面が、今この瞬枚枚剥がれ落ちていく。

拾い集めることなど到底できないほどに。

さんが湯呑みを置き、ゆっくりとちがった。

「レオさん」

彼はややかに言った。

「プロジェクトの件は度に戻しましょう」

彼は背を向けた。

「々トラブルに巻き込まれるのはごめんですからね」

レオは茫然と彼を見た。

「さん、あいつらの言うことなんて信じないでください!」

さんは首を横に振った。

「私は自分ので聞いたことだけを信じます」

彼は言い捨てた。

「商売は商売、柄は柄ですよ」

その言葉が最の針となり、レオの張り詰めたを完全に破裂させた。

彼はステージを駆けり、私のに来た。

広告

震える声で言った。

「ゆか、どうしても俺を破滅させたいのか?」

私は彼を見つめた。

彼の目は充血していたが、それが羞恥からなのか恐怖からなのか私には分からない。

彼は本当に、自分が破滅させられたとっているのだろう。

でも彼は気づいていない。

オフィスのキャビネットので彼があの話をかけた瞬、私ののにいた「夫」というは、すでに完全に破滅していたのだ。

私は静かに言った。

「私があなたを破滅させたんじゃないわ」

私は酷な事実を突きつけた。

「あなたが自分で言った言葉を、皆さんに聞いてもらっただけよ」

彼は私を掴もうとを伸ばしたが、私はそれを払いのけた。

母がちがった。

体はし震えていたが、声ははっきりとしていた。

「レオ君、私の娘に触らないでちょうだい」

レオのが空で止まった。

母は彼を見据え、字句噛みしめるように言った。

「誕会をいてくれたことには礼を言うわ」

彼女は毅然と言い放った。

「あんたがのことを狙ってたのもよく分かった。今のこの恩着せがましい宴会も、全部私が引き受けるわよ」

母は彼を指差した。

「でもね、今この瞬から度と私のの敷居を跨がないでちょうだい」

義母が慌ててをした。

「きよ子さん、そりゃたすぎるんじゃないの?」

彼女は必に取り繕った。

「夫婦なんて活してりゃ衝突もあるし、ゆかさんにも悪いところはあるでしょう」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: