"廃屋を買った兄妹と、床下に眠る父の秘密" 第5話
油性ペンで付がいてある。
両親が事故に遭う。
空は再ボタンを押した。
最初に聞こえたのは、父の声だった。
『瀬さん、これで最です。俺の方でも両記録を取れました』
空はそのへ座り込んだ。
週ぶりに聞く父の声だった。
録音は続く。
『このまま警察へ持っていきます。ただ、会社のに報を流してるがいる気がする』
次に別の男の声。
く、聞き覚えがなかった。
『佐倉さん。はいつも通り奥さんと病院へくんですよね』
父が答える。
『ええ』
『岸を使う?』
『そのつもりです』
そこで録音は切れた。
空は顔をげた。
「この男、誰ですか」
瀬の顔が青ざめていた。
「録音の相は……」
言いかけて止まる。
空が迫った。
「誰なんですか」
瀬はゆっくり答えた。
「君の叔父だ」
「え?」
「佐倉健」
空は理解できなかった。
父の弟。
葬儀で泣いていた男。
偽の委任状を持ってきた男。
瀬はさらに言った。
「健は会社のじゃない。なのに、なぜ輔さんが警察へくのをっていたとう?」
空の指から録音が滑り落ちた。
父のには、会社だけではない。
自分たちをから追いした叔父も関わっている。
しかも録音の付は、父の事故の。
そしてその直。
陽斗が窓のを指さした。
「お姉ちゃん。あの、昨もいたよ」
坂の。
黒いセダンが台、エンジンを止めてまっていた。
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瀬が顔を変えた。
「カーテンを閉めろ」
「ってるですか」
「ああ」
瀬はちがろうとして、を押さえた。
「俺をここへ運んだ連のだ」
空たちが秘密を見つけたことを、
向こうもすでにっていた。
その夜、空は瀬をへ残さなかった。
千代の親戚が管理している空き舗の階へ移す。表から見れば使われていない物置で、潮見のとは反対方向にあった。
録音とメモリーカードも分散した。
原本は瀬。
複製は千代の。
もうつは空が勤務先のロッカーへ入れた。
「そこまでしなくても」
千代が言うと、空は首を振った。
「父がか所にまとめなかった理由が、やっと分かったから」
翌朝、黒いはいなくなっていた。
代わりに健から話が来た。
「空、元気にしてるか」
葬儀以来、初めて聞くほど優しい声だった。
「何ですか」
「いや、配でな。見つかったんだろ?」
空は黙った。
「潮見の方だって聞いたぞ。ずいぶん古いらしいじゃないか」
誰にも所を教えていない。
役所にも最限の届けしかしていない。
「誰から聞いたの」
瞬、があった。
「この町は狭いんだよ」
「町、違うけど」
健は笑った。
「細かいこと気にするな」
話を切ったあと、空は刻と内容を帳へいた。
午にはもっと骨なことが起きた。
仕事から戻ると、玄関の鍵が壊されていた。
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部は荒らされている。
引きし。
押し入れ。
。
探されたのはではない。
父の箱だった。
箱だけが消えていた。
「お姉ちゃん……」
陽斗が泣きそうな声をした。
空は弟を抱き寄せた。
「丈夫」
本当は丈夫ではない。
父の腕計。
族写真。
財布。
全部入っていた。
だが茶い封筒と真鍮の鍵だけは、に別の所へ移している。
相が欲しかったものは取れていない。
空は警察へ通報した。
ただし事件の全容は話さず、居侵入と窃盗として届けた。
現を見た若い警察官は、まで荒らされているのを見て眉をひそめた。
「現は?」
「ほとんどありません」
「じゃあ、何を探したんでしょうね」
空は答えなかった。
まだ誰を信用していいか分からない。
その夜、瀬がの名をした。
「弁護士に連絡しよう」
「信用できますか」
「俺が監査を始めたから相談していただ」
京ではなく福岡の弁護士。
会社とは顧問契約のない部の。
翌、空は公衆話から連絡した。
。
弁護士の倉田真紀が潮見へ来た。
代半ばの女性だった。
瀬の顔を見るなり、
「きてたんですね」
と言った。
を見せたのはそれだけだった。
そのは資料を順番に確認した。
父の録音。
正送のメモ。
瀬の証言。
への侵入。
そして健の偽造委任状。
「かなり危険です」
倉田は言った。
「ただし、ここから先はでかないでください」
「父を殺したかもしれないがいるのに?」
「だからです」
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