"廃屋を買った兄妹と、床下に眠る父の秘密" 第8話
とは言われていない。
ただ、
「いりで圧が抜けるように」
そう指示された。
依頼主の名はらない。
しかし作業、現入りの封筒を持ってきた男の顔を覚えていた。
写真を並べる。
男が指した。
佐倉健。
空は目を閉じた。
とうとう、父のと叔父のに本の線が通った。
健は逮捕された。
最初の容疑は証拠隠滅や文偽造ではなく、父母の事故に関わる共謀の疑いだった。
取り調べでは泣いたという。
「殺すつもりまではなかった」
倉田からその言葉を聞いた、空はりより先に寒気を覚えた。
ブレーキへ細をする。
いり坂で効かなくなるようにする。
それで「殺すつもりはない」は通らない。
健の供述によって、の指示も徐々にらかになった。
父は港の倉庫で健を問い詰めた。
架空会社の名義貸し。
現受け取り。
正資の運搬。
「自首しろ」
父は弟へそう言った。
健は拒んだ。
借がある。
を失う。
雅子にられたくない。
そのへが現れた。
父はにも言った。
「、瀬さんと緒に資料を持っていく」
だがその、瀬はすでに監されていた。
は父を止める必があると判断した。
健へ百万円を提示。
「兄をし黙らせるだけだ」
そう説した。
健は備会社との連絡役になった。
事故、はさらに健を利用した。
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父の遺品を探せ。
空から委任状を取れ。
財を処分しろ。
茶い封筒と鍵を見つけろ。
健が空たちを追いそうとした理由も、単なる遺産目当てだけではなかった。
父の残した証拠を自由に探すためだった。
「じゃあ、あの廃を私に買わせたのは?」
そこだけが分からない。
倉田は首を振った。
「健さん自は関与を否定しています」
産の売却記録にも健の名はない。
所者は京の齢男性。
売却価格も以から万円だった。
「本当に偶然?」
空が聞くと、瀬は考え込んだ。
「偶然じゃないとしたら、別の誰かがあのの報を空さんへ届くようにした」
スーパーの掲示板。
あの枚の。
誰が貼ったのか。
員も覚えていない。
数。
答えはなところから来た。
千代だった。
「ごめんね」
の奥で、千代がをげた。
「私が貼ったんだよ」
「え?」
「空きを売りたいって相談されてたからね」
ただし、空が困っていることを聞いたのは、父の葬儀から週ほど。
誰から聞いたのか。
「男のだよ」
「どんな」
千代はしばらく考えた。
「輔さんによく似た話し方をするだった」
千代はその男の名をらなかった。
話だけだった。
《もし若い姉弟がまいを探しに来たら、潮見のを教えてやってください》
それだけ。
空の胸がざわついた。
父はんでいる。
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ならば誰が。
瀬がの名をにした。
「もしかしたら……輔さんには、もう協力者がいた」
父がで調べていたわけではない。
まだ会っていないがいる。
その物は、父の勤務先で配を担当していた元社員・森川隆だった。
事故のかに会社を辞めている。
理由は「庭の事」。
実際には、の正へ気づき始めた父から相談を受け、から資料を保管する役目を引き受けていた。
県警が連絡を取ると、森川はすぐ福岡へ戻ってきた。
「遅くなってすまなかった」
空へくをげた。
「どうして今まで」
「怖かった」
森川は正直に言った。
父がんだ。
瀬が消えた。
自分にも族がいる。
次は自分だとった。
だから県の親戚宅へ逃げた。
「それでも、あののことだけは空さんに伝えようとした?」
森川は頷いた。
父から聞いていた。
《もし俺に何かあったら、鍵を持っているのは空だ》
父は、証拠保管所として潮見の古を使っていた。
所者は会社とは無関係。
昔、会社が倉庫代わりに借りていただけ。
そのく空きになっていた。
「輔さんは、空さんを巻き込みたくないと言ってた」
「なのにを教えたんですか」
森川は苦しそうな顔をした。
「から追いされたって聞いた。俺は直接助けにる勇気がなかった」
だから千代へ匿名で話した。
空きを紹介してほしい。
父の鍵があれば、いずれ証拠へたどり着くかもしれない。
「勝だったとう」
森川は言った。
「結果に危険な所へかせた」
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