"大晦日、義実家の60億円計画を知った" 第6話
……もしけ、融資が実されないとなれば、吉実エステートは即座に倒産します。窮に追い詰められた彼らが、次に何を仕掛けてくるか……像もつきません』
「分かっています」 私はスマートフォンの画面をく握りしめた。 「さん、今夜のデータをすべて暗号化して、私の個アドレスと、顧問弁護士の川先へ転送してください。……ここからは、守りじゃない。私たちが、あいつらの息の根を止めにいく番よ」
『かしこまりました。……ご武運を、社』
通話が切れた瞬、フロントガラスの向こうに、実のい塀とな扉が見えてきた。 午零。 くの寺から、旧いを葬りる除夜の鐘の音が、ゴォン……とく、く響き渡ってきた。
の幕け。 しかし、それはめでたい祝祭などでは決してない。 の偽りのを清算し、欲なハイエナどもを社会の奈落へと叩き落とすための、血で血を洗う総力戦の号砲だった。
元の朝。 実の階、かつて私が女代を過ごした自の障子をけると、見事なれの青空が広がっていた。庭の枯にはらといが積もり、凛とした気が部を満たしていく。
ぶりに、吉実のあの暗く息の詰まる敷ではなく、まれ育った実で迎える元旦。 しかし、私のには、正を祝うれやかさは微もなかった。
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枕元のスマートフォンをに取ると、案の定、画面は幸からの着信通とメッセージで埋め尽くされていた。
『おい、どこにいるんだ? 親戚への挨拶もせずに勝に消えるなんて常識を疑うぞ』 『荷物もも置いたままだし、どうせ実に逃げ帰ったんだろ。親父もお袋も呆れ果ててるぞ』 『親父が「嫁のヒステリーなんざ放っておけ」って言ってる。今に戻ってきて座して謝れば、親戚の、許してやるから。く戻れ』
文面の端々から滲みる、圧倒な見しと傲さ。 彼はまだ、自分が何を踏み躙り、その元から何が音をてて消えったのかを、何つ理解していなかった。 私がただの夫婦喧嘩で拗ねて実に引きこもっているだけだと、を括っているのだ。
階へりると、居ではすでに父と母が支度をえて待っていた。 正用の祝い膳の代わりに、テーブルのに広げられていたのは、昨夜さんから転送された都信託の送指図の控え、そして黒川アセットの過分の決算報告だった。
「、眠れたか」 父がい緑茶を差ししてくれる。 「ほど仮眠をとったわ。……は完全に冴えてる」
「川弁護士から連絡があったぞ」父は老鏡の奥の目を鋭くらせた。 「今朝番の幹線で、こちらへ向かってくれているそうだ。
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午には到着する。……相が偽造の印鑑証を使って融資を引こうとしていた以、これは単なる親族の民事トラブルではない。な【印私文偽造・同使】、ならびに【詐欺未遂】の刑事事件だ」
午分。 玄関のチャイムが鳴り、黒いコートを着た髪交じりの紳士が入ってきた。 黒川アセットの顧問弁護士、百法律事務所の代表・川(はやかわ)先だ。京検特捜部ので、企業法務と融犯罪の追及においてにる者はいない鎮である。
「社、茂会。……晦から変な修羅でしたね」 川弁護士は居のテーブルに分いブリーフケースを置くと、際よく資料を取りした。
「都信託の氏から昨夜のうちにログの提供を受けました。お見事でしたね。社が昨夜の段階で送と座凍結の指図を完させていなければ、の朝、興方の億円融資の実と同に、黒川アセットの預は丸ごと拘束されていたところでした」
川先が取りした枚の面。 そこには、吉実エステートが興へ提していた『資調達計画』の現物が、調査関のルートを通じて鮮に複写されていた。
「これをご覧ください。吉実エステートの代表取締役・吉実正雄、ならびに専務取締役・吉実幸の連名で提された類です。
……ここです」
先の指が、赤線で囲まれた条項を叩いた。
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