"昭和天皇がマッカーサーに告げた「責任」" 第5話
彼らは皆、保のために逃し、に罪を着せた。……だが、本の皇は違った。らかに自らに帰すべきではない責任まで全て引き受けようとした。その勇気と崇な精神に、私は軍として、のとして、底から脱したのだよ」
バワーズは言葉を失った。 あの傲な元帥をここまでさせる男が、このの島国にしたという事実。
だが、公邸に戻ったバワーズを待っていたのは、解な事態だった。 会見に同席していた宮内省通訳官・奥勝蔵が作成したはずの会見録、ならびにGHQ側の公式記録のファイルが、総司令部の報部(G2)の保管庫から忽然と「消失」したのだ。
「バワーズ佐、探しても無駄だ」 報部のチャールズ・ウィロビー准将が、暗い執務でたく告げた。 「皇が自ら『全責任を負う』と発言した記録がワシントンやソ連の代表部に渡ればどうなるか、貴様にも分かるだろう。連は即座にそれを『戦争犯罪の自』として利用し、ヒロヒトを法廷へ引きずりす。……元帥閣の命令だ。この会見の詳細は、墓まで持っていく」
歴史のへと葬りられた、魂の肉声。 しかし、皇の戦いは、この会見から本当の修羅へと突入していくのだった。
昭。 京・ヶの旧陸軍士官学跡では、極国際軍事裁判(京裁判)の設置に向けた準備が着々とめられていた。
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GHQ内部は、皇の処遇を巡って完全に分されていた。 マッカーサーとウィロビー准将ら実務派は、本の治維持と共産化阻止のため、皇のを欠とする「皇免責・象徴化」の線へと舵を切り始めていた。もし皇を処刑すれば、千万の本国民が斉に武装蜂起し、本列島は沼のゲリラ戦と化す。占領統治を成功させるためには、数万の米軍増派が必になるという現実な計算もあった。
しかし、米本国のトルーマン政権、そして対理事会に参加する連国の態度は、増しに化していった。
特にだったのが、ソビエト連邦の代表・デレビヤンコ将だった。 帝国ホテルのでかれた連国対理事会の非公式会において、デレビヤンコはウォッカグラスを机に叩きつけ、米側の担当官を鳴りつけた。
「米軍はヒロヒトを保護し、自らの傀儡として利用するつもりか! 京での虐殺、真珠湾の奇襲、捕虜の体実験――これら全ての軍事の元帥であった男が、無罪放免などあり得ん! がソビエト連邦は、ヒロヒトを第級戦争犯罪として起訴することを断固求する!」
オーストラリア代表もこれに同調した。豪州兵捕虜が方戦線で受けた過酷な虐待への報復は凄まじく、豪州世論の割以が「ヒロヒトの絞首刑」
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を求めていた。
さらに、GHQ内部にも「敵」がいた。 総司令部民政局(GS)の局、コートニー・ホイットニー准将の側たちのには、烈なニューディール派のリベラル官僚が数していた。彼らは皇制そのものを「代な絶対王政の遺物」とみなし、皇を廃止して完全な共制へと移させるべきだと主張していたのだ。
旬のある夜、バワーズ佐は、第命館のの暗で、ある穏な通信記録を傍受した。 GS内部の急派将が、極秘裏にモスクワおよび豪州代表部と接触し、マッカーサーの越しに「皇の戦争責任を証する極秘宮文」を京裁判の検察側へリークしようと画策していたのだ。
「佐、これを見てください」 報部の暗号解読兵が差しした通信文の翻訳。 そこには、恐るべき計画が記されていた。
『予定の皇財産凍結命令にわせ、宮内省内部の満分子を利用。皇が対米戦の御会議で署名した「宣戦の詔」の原本案、ならびに軍令部総からの作戦奏を奪し、国際検察局(IPS)へ直接提する筈完』
もしその文が法廷に提されれば、マッカーサーがどれほど庇おうとも、国際世論の圧力によって皇の起訴は免れない。 本の精神支柱がへし折られ、国がバラバラに解体される破滅のカウントダウンが、面で始まっていた。