みかん小説
本棚

"不妊を理由に別れた元妻が、機内で双子を抱いていた" 第31話

「パパ!私、に言えた?」

「ああ、完璧だったよ」

健は涙を堪えきれず、娘をく抱きげた。

その夜、に戻ってくつろいでいると、父親から話があった。

「今、こっそりろで発表を聞かせてもらったよ」

父親の声は震えていた。

「胸がいっぱいになった。あの子は本当に賢いな」

「ああ、百に似たんだ」

健は誇らしげに言った。

「おも、本当にいい父親になったな」

「まだまだだよ。毎が勉だ」

「それでいい」

父親は穏やかに言った。

「完璧ななんていない。切なのは、過ちを認めて努力し続けることだ」

話を切った、健は庭のウッドデッキにた。

見げると、満の空が広がっていた。

「考え事?」

百が温かいお茶を持って隣に来た。

「いや」

健はを見たまま言った。

「ただ、今のこの活が幸せすぎて、々失うのが怖いくらいだってってたんだ」

「わかるわ」

百は彼の肩に寄り添った。

「私も全く同じ気持ちよ。でもね」

健は彼女のえたを取って温めた。

「俺が、この幸せを命にかけて守り続ける」

彼は誓った。

「これから何があっても、緒にね」

「ええ、緒に」

2はいつまでも、美しい空を見げていた。

翌、悠斗と美結は元気に5歳の誕を迎えた。

「保育園も、いよいよ最のね」

誕ケーキのロウソクを吹き消した、百がしみじみと言った。

広告

「来はもう、学だね」

「いな」

健は子供たちの成のさに驚く。

「は決して戻らない。だからこそ、今の瞬瞬を切にしたい」

その言葉通り、健は仕事のスケジュールを極力調し、できるだけ族とのを最優先に作った。

週末は必ず4で緒にかけた。

物園でキリンに餌をやり、族館でイルカのショーを見げ、きな公園でピクニックをした。

どこにっても、そこには必ず子供たちの弾けるような笑顔があった。

ある曜の午、族4で井の公園の遊歩を歩いていた。

そこは以、健と百が再会を果たし、そして再び向きうことを決した、いい所だった。

「ここで、私たちはしく始まったのよね」

百が池のボートを見ながら言った。

「ああ、あのから俺たちの全てが変わったんだ」

健はく頷いた。

悠斗と美結は、どんぐりを拾いながらし先を元気にっていた。

「見て、あの2」

百が微笑んで指差した。

「本当に幸せそう」

「ああ、俺たちが何としても守るべきものだ」

その、っていた美結がの根につまずき、派に転んでしまった。

「痛い!」

健はすぐに駆け寄り、泣きそうな彼女を抱きげた。

「丈夫か?痛くないか?」

「ちょっと痛い……」

美結は膝を擦りむいて涙目になっていた。

「丈夫だ。パパがいるから」

広告

健は面に膝をついて、彼女のさな傷を確認した。

ほんの軽いすり傷だった。

「これくらいなら、すぐに治るよ」

「パパ、魔法かけて」

美結が涙声で甘えた。

「魔法?」

「痛いの痛いの、んでいけってやって」

健は優しく微笑み、彼女の膝にフッと息を吹きかけた。

「痛いの痛いの……んでいけ!」

彼はげさに空を指差した。

「ほら、治った」

美結は自分の膝を見て、パッと笑顔になった。

「うん!治った!」

その微笑ましい景をろで見ていた百は、わず涙ぐんだ。

「どうした?」

健がちがって尋ねた。

「幸せすぎて……」

百は涙を拭った。

「5、こんなが来るなんて像もできなかったから」

「俺もだ」

に戻る途、空が美しい夕焼けに染まっていた。

「パパ、空がピンクだよ!」

悠斗が空を指差して叫んだ。

「本当だ、綺麗だね。みんなで写真を撮ろう」

百がバッグからスマートフォンを取りした。

4で夕焼けを背景に並んで、自撮りで族写真を撮った。

そのの最の笑顔の写真は、にプリントされてリビングの番目つ所に飾られることになる。

族の切な宝物として。

夜、子供たちをベッドに寝かせた、健と百はリビングで2だけのくつろいだを過ごした。

「健」

百が温かいココアをみながら言った。

「私、あなたに謝してるの」

「俺に?」

「ええ。

あなたが、私たちを絶対に諦めなかったこと」

「俺こそ」

健は彼女を見つめた。

「俺のようなに、もう1度チャンスをくれてから謝してる」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: