"「もう連絡しないで」と言った娘から48件の着信" 第2話
翌朝、私はいつも通り8半に医療法の総務課へ勤した。末がく、職員の勤務表と業者への支払類が机のに積まれていたため、スマートフォンは鞄のへ入れたまま仕事を始めた。
午10からは、式で両を交えた最終打ちわせが予定されている。これまでなら始30分に美咲へ「印鑑は持った?」「親族名簿の最版を忘れないで」とメッセージを送っていただろう。
けれど、今は何もしなかった。
昨夜、美咲自がその関係を終わらせたのだ。
昼休みになり、職員休憩で鞄からスマートフォンを取りした私は、画面に並ぶ赤い数字を見てしばらくけなかった。
着信、48件。
すべて美咲からだった。
メッセージも17件届いている。
《お母さん、話て》
《式に何て言ったの?》
《連絡担当をやめるなんて聞いてない》
《宿泊の予約、お母さん名義だったの?》
《バス会社から名義変更が必って言われた》
そして最には、
《式には来るよね?》
とかれていた。
私はしばらく、その文を見つめた。
もう連絡しないで。
けれど式には来るよね。
自分は母親との関係を切ることができる。しかし母親は、自分の結婚式では親としての役割を果たす。当然そうっていたのだろう。
腹がつより、私はしかった。
22、私は美咲からの話にはできるだけてきた。
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受験の朝も、就職試験に落ちた夜も、初めて付きった男性と別れて泣いたも、「何かあったら話して」と言い続けた。
父親に捨てられた記憶を持つこの子だけには、「呼んでも誰も来ない」といういをさせたくなかった。
その結果、美咲のには別の確信が育ったのかもしれない。
母親だけは、何を言ってもいなくならない。
私はスマートフォンを伏せ、昼をべた。すぐに折り返せば、またいつもの私に戻ってしまう気がした。
午1、今度は別の名が画面に表示された。
輔。
美咲の婚約者だった。
これまで輔さんと私が直接話で話すことはほとんどなかった。結婚式の連絡も基本には美咲を通していたため、私は廊の奥にある窓際へ移してから通話ボタンを押した。
「田です」
『お仕事にすみません。しだけ、確認したいことがあって』
いつも穏やかな輔さんの声が、らかに揺していた。
『美咲から、もう連絡しないでって言われたというのは、本当ですか』
「ええ。昨夜、本からそう言われました」
話の向こうで沈黙があった。
『……うちの両親は、そんなこと度も頼んでいません』
私は眉を寄せた。
「どういうこと?」
『美咲は、お袋が「結婚したらこちらのを優先してほしい」と言ったから、お母さんとの関係を理しなきゃいけないとったって説したんです。
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でもお袋は、親戚の事が増えるという話をしただけです。田さんと縁を切れなんて、俺も両親も度も言っていません』
そこまでは、私も予できた。
美咲が勝にい詰めたのだろう。
だが輔さんは、さらに声を落とした。
『それと……今の打ちわせで、俺も初めてったことがあります』
「何を?」
『婦側の親族についてです。美咲が、田さんにはもう話してあると言っていたので、俺も確認していませんでした』
胸の奥に、さなたさがった。
「私に話してある?」
『はい。ただ、話では説しにくいです。式の野寺さんから、田さんにも確認が必だと言われました』
昨夜のメールにあった、
《婦側のご族について点》
という文章がに浮かんだ。
「輔さん。その話、美咲はいつからめていたの?」
『なくとも、2週くらいからだといます』
2週。
その頃、美咲は私の部で親族の宿泊名簿を緒に確認していた。
何も変わった様子はなかった。
私は話を切った、もう度48件の着信履歴を見た。
娘が慌てている理由は、私が連絡担当をりたことだけではない。
私が式の裏側かられたことで、今まで私に見えないようにしていた何かまで、表へてしまったのだ。
そのの夕方、美咲から49回目の話がかかってきた。
私は仕事を終え、陶芸教へ向かう途だった。
以なら予定を取りやめてでも娘のところへっただろうが、そのは駅のベンチに座り、着信が切れるまで待った。
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