"「もう連絡しないで」と言った娘から48件の着信" 第3話
その、いメッセージだけを送った。
《仕事でした。昨あなたが言ったことは、そのまま受け取っています。落ち着いて話せるなら、の午8にへ来てください》
すぐに既読がついた。
《今じゃだめ?》
私は返信しなかった。
陶芸教では、の展示会へす器の形を決めることになっていた。私は何週もから楽しみにしていたその予定を、娘が混乱したからという理由だけで捨てたくなかった。
教を終えて帰宅すると、式の野寺さんからメールが届いていた。
《本の打ちわせでは、お母様が婦側連絡担当をれることについて、郎婦双方に確認いたしました。未契約の宿泊・送迎については郎婦名義へ変更いたします。内40万円については既に挙式費用へ充当済みですので、変更はございません》
そこまでは私が頼んだ通りだった。
続く文章には、もうつかれていた。
《なお、婦様より以いただいていた親族席の変更につきまして、お母様も承済みと伺っておりましたが、本の状況を踏まえ、のため改めて確認させていただきたくじます》
私は画面を見つめた。
親族席の変更。
そんな話は聞いていない。
添付ファイルはなかった。個報が含まれるため、確認は話か面談でいたいという。
私は翌の昼休みに話する旨を返信した。
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その夜、眠るに結婚式のファイルをいた。
私が持っている席次表では、婦側の親族席の番に私の名がある。その隣は、私の妹夫婦。美咲には父方の祖父母もすでになく、22にをた直については、招待するという話を度も聞いていなかった。
私は引きしの奥から、古い茶封筒を取りした。
婚したの類だった。
直は婚成の2だけ、3万円の養育費を払った。そのは勤め先を変え、振り込みが止まった。私は庭裁判所を通じて履を求めたが、直は転居を繰り返し、やがて連絡も途絶えた。
美咲には詳しく話さなかった。
「お父さんはくで暮らしている」とだけ説した。
娘ので父親を悪者にしたくなかったからだ。
だが、その沈黙は正しかったのだろうか。
事実を話さないことで、私は娘のに空を作った。その空へ、もし誰かが自分に都のいい物語をき込んだら、美咲には確かめる方法がない。
翌の昼、野寺さんへ話した。
「親族席の変更というのは、どういう内容でしょうか」
野寺さんは瞬ためらった。
『婦様からは、お母様にもお話し済みだと伺っておりましたので……』
「私は何も聞いていません」
『そうでしたか』
話の向こうでをめくる音がした。
『では、私から内容をお伝えするに、婦様へもう度確認いたします。
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ただ、田様のお名を親族席からすという変更ではございません』
「では、誰かが増えるんですか」
い沈黙。
『はい』
私は息を止めた。
「誰ですか」
しかし野寺さんは、個報の関係で本の確認には言えないと答えた。
その慎さは正しかった。
だからこそ、がくなった。
美咲は誰を親族席へ加えたのか。
そして、なぜ私には「もう連絡しないで」と言うまで、そのことを隠していたのか。
翌の午8、美咲は約束通り私の部へ来た。
玄関にった娘は、2とは別のように憔悴していた。目元が腫れ、にした鞄の持ちを両でく握っている。
私はいつものように夕を用しなかった。
ほうじ茶だけをし、向かいの子に座った。
「話したいことがあるなら、聞くわ」
美咲はしばらく黙った、絞りすように言った。
「本当に、縁を切るつもりじゃなかったの」
「でも、もう連絡しないでと言ったでしょう」
「結婚するまで、し距を置きたかっただけで……」
「それなら、そう言えばよかったのよ」
美咲は唇を噛んだ。
私は責めるために話しているのではなかった。曖昧に許してしまえば、また私が娘の言葉を勝に優しいへ翻訳することになる。
「雅子さんに何を言われたの?」
「結婚したらの親戚事も増えるから、よろしくねって。それで……私、ちゃんと向こうの族を優先しなきゃいけないとった」
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