"「もう連絡しないで」と言った娘から48件の着信" 第4話
「雅子さんは、私と連絡を取るなと言った?」
美咲は首を横に振った。
「輔さんは?」
もう度、首が横へいた。
これでつ目の答えはた。
娘を私から引きそうとしたなど、最初からいなかった。
美咲自が、結婚とはどちらか方の族を選ぶことだとい込んでいたのだ。
「どうして、そこまで極端に考えたの?」
美咲の目に涙が浮かんだ。
「お母さんみたいになりたくなかったから」
私は言葉を失った。
「お父さんに捨てられたでしょう」
22、娘のではなるべくにしなかった言葉を、美咲は自分からにした。
「私は、ああなりたくない。夫に別の女のを選ばれて、族ごと捨てられるのが怖い。だから輔君にも、輔君の族にも、絶対に『このは自分たちより実を優先する』ってわれたくなかった」
美咲は両で顔を覆った。
「最初からお母さんをしておけば、どっちを選ぶか悩まなくて済むとったの」
私は胸の痛みを押さえながら、その言葉を聞いた。
22、私は娘に「あなたは捨てられない」と教えてきたつもりだった。
けれど娘が学んだのは、別のことだった。
族は、ある誰かを選ぶ。
選ばれなかった側は捨てられる。
だから捨てられるに、自分から全な側を選ばなければならない。
「美咲」
私はゆっくり言った。
「族を事にすることと、誰かを捨てることは同じじゃないわ」
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娘の肩が震えた。
「お父さんがしたことを、あなたは形を変えて私にしているのよ」
美咲は泣きながら「違う」と言ったが、私はその言葉を慰めなかった。
「それと、もうつ聞くわ」
私は野寺さんのメールをいしていた。
「親族席に誰を増やしたの?」
美咲の顔から、血の気が引いた。
その反応だけで分かった。
彼女はっている。
しかも、それこそが私に隠していた核だった。
「……今は、言えない」
「どうして?」
「ちゃんと説するから」
「いつ?」
美咲は答えなかった。
私はそれ以追及しなかった。
「分かった。なら、説できるようになってから話しましょう」
「お母さん、式には来てくれるよね?」
私はすぐには答えなかった。
「今は決めない」
美咲が目を見いた。
「どうして? 私、謝ってるじゃない」
「謝れば元通りになる話ではないからよ。私は、あなたが必なだけ現れる裏方には戻らない」
娘は泣いた。
それでも私は抱きしめなかった。
自分がにした言葉のさを、初めて娘自に持たせる必があった。
美咲が帰った、私は玄関の鍵を閉め、く息を吐いた。
その、スマートフォンが鳴った。
式の野寺さんからだった。
『田様。先ほど婦様から、親族席について田様へ説したと連絡がありましたので、最版の席次表をお送りします』
私は眉を寄せた。
美咲は説していない。
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だが数秒、メールにPDFファイルが届いた。
私はまだかなかった。
あのの美咲の青ざめた顔をいすと、そこにかれている名を見るのが、なぜか怖かった。
メールに添付された席次表をいたのは、美咲が帰ってから30分ほど経っただった。
私は卓にノートパソコンを置き、画面を拡した。式の円卓が並び、郎側、婦側、それぞれの親族名がさな文字で配置されている。
婦側最列。
《婦母 田恵子》
私の名は残っていた。
その隣に、以の席次表にはなかったつの名があった。
《婦父 田直》
瞬、が分からなかった。
婚、美咲の戸籍は私と同じ田姓のままだったため、表記だけを見れば違はない。けれどその名は、22ほとんどにしなかった男のものだった。
さらに、その隣。
《婦父配偶者 田織》
私は画面から目をした。
胸が苦しくなったのではない。
むしろ、音がすべて消えたような覚だった。
織。
代からの親友で、結婚式では私の友代表としてスピーチまでしてくれた女性。美咲が幼い頃には何度もへ遊びに来て、「恵子の娘なら私の姪みたいなもの」と笑っていた。
その織と、直は関係を持った。
そしては私たちを残してった。
22、そのが、娘の結婚式で「婦側族」
として私の隣に座ることになっていた。
私は席次表の作成を確認した。
2週。
輔さんが言っていた期と致する。
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