"「もう連絡しないで」と言った娘から48件の着信" 第10話
けれど封筒のみが気になり、私は夕にいた。
便箋は3枚あった。
織は22のことを謝っていた。
直から「夫婦関係はもう終わっている」と聞かされ、自分もそれを信じたこと。途で嘘だと気づきながら、引き返せなかったこと。美咲から連絡が来た、今度こそ過を清算できるとったこと。
だが、私の目を止めたのは最の段だった。
《美咲ちゃんに、恵子が面会を拒んだと話したことについては、私も止めませんでした。本当は違うとっていました。直は何度か所をる会がありました。でも私自、直が美咲ちゃんに会えば、あなたとの関係まで戻るのではないかと怖かったのです》
私は便箋を置いた。
初めてる事実だった。
直だけではない。
織もまた、美咲と父親の関係が戻ることを恐れていた。
自分が選ばれなくなるのが怖かったから。
美咲は捨てられることを恐れ、私を切ろうとした。
私は必とされなくなることを恐れ、娘の問題を先回りして解決し続けた。
織は直を失うことを恐れ、父娘の再会をざけた。
そして直は、自分が悪者になることを恐れ、22会わなかった責任を私へ移した。
形は違っても、全員が「捨てられること」を恐れて誰かをかそうとしていた。
私は翌、美咲へのことを伝えた。
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「読みたい?」
美咲はし考えてから首を横に振った。
「今はいい」
以なら、真実をつ残らずろうとしたかもしれない。
「織さんが何をってたかより、これから私がどうするかの方を考えたい」
私はその答えを尊した。
は捨てなかった。
かといって、宝物のように保管するつもりもなかった。
婚関係の類と緒に封筒へ入れ、押し入れの奥へ戻した。
過は消えない。
しかし、毎に取る必もない。
数、美咲は直へ通のメッセージを送ったという。
《お父さんと会えたこと自体は悔していません。でも、お母さんが会わせなかったという説は事実と違いました。私は誰かを悪者にした話ので関係を続けたくありません。しばらく連絡を控えます》
直からは、
《母親に洗脳されたんだな》
と返ってきた。
美咲はその画面を私には見せなかった。
で輔さんから聞いた。
美咲は度だけ、
《自分で確認して決めました》
と返し、そのは通を切ったという。
私はそれでいいとった。
父親を永久に拒絶するかどうかは、娘が今決める必はない。
ただ、誰かに選ばされるのではなく、自分で距を決める。
22にできなかったことを、娘は今ようやく始めていた。
延期から3か、美咲と輔さんは結婚式の取りを決め直した。
招待客は92から58へ減った。
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豪華な演もいくつかやめた。
親族の送迎は輔さんと美咲がそれぞれ担当を分け、宿泊の確認もでった。
私は何も頼まれなかった。
正確には、度だけ美咲から話があった。
「叔母さんのが悪いから、駅からタクシーを予約した方がいいとうんだけど、いつも使ってる会社の番号分かる?」
「分かるわ。送るね」
私は番号だけ送った。
予約はしなかった。
翌、美咲から、
《予約できました》
と届いた。
そのい報告が、妙に嬉しかった。
式の1か、美咲が招待状を持って来た。
以のように私が作った名簿を確認してほしいとは言わなかった。
「お母さんにも、正式に来てほしい」
封筒を両で差しした。
私はをいた。
《婦母 田恵子様》
席は婦側親族席の番だった。
直と織の名はない。
「お父さんたちは?」
「呼ばない」
「私がいるから?」
美咲は首を横に振った。
「今の私には、結婚式で族として並んでもらう準備ができてないから。いつかまた話すかもしれない。でも、それと結婚式は別にする」
「そう」
「お母さんには、何もしなくていいから来てほしい」
私はわず笑った。
「何もしなくていい?」
「親族への連絡も、受付の確認も、着付けの数も、全部私たちがやる。お母さんはになったら来て、座って、ご飯べて」
半以、裏方として結婚式に関わってきた私にとって、それは奇妙な招待だった。
そして、とてもありがたかった。
「分かった。席します」
美咲の目がし潤んだ。
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