"産後5日、家を売られた私の人生やり直し" 第4話
夫の会社に入った860万円
実へ戻った私は、赤ん坊の世話のに記録を作り始めた。
最初にノートを冊買った。
《318 達也、会社設の話を初めてする》
《47 マンション査定らしき封筒が届く。本はローン借換えと言った》
《産2 自宅庫のキャッシュカードが見当たらない》
いせることを、付順にいた。
へも連絡した。
本確認のうえ、過の取引細を取り寄せる。
860万円くあった預は、本の振込で消えたわけではなかった。
220万円。
180万円。
300万円。
残り。
数に分けていている。
振込先のつには、見覚えのない名称があった。
《T&Y NEXT株式会社》
検索する。
画面に達也の顔がた。
代表取締役 達也。
設されたIT関連会社。
設は、私が産した翌。
私はしばらく画面を見つめた。
会社のウェブサイトには、こうかれていた。
《自己資によって創業》
自己資。
笑いそうになった。
私が7働いて貯めただった。
産費用。
子供の教育費。
もし何かあったの活費。
それを達也は《自分の》へき換えている。
SNSも見つかった。
級レストラン。
ホテル。
しい計。
会社設祝い。
そして由紀。
《達くん、社就任おめでとう》
《これからでにこうね》
写真には、私が見覚えのある計があった。
達也が「すぎるから買わない」と言っていたブランドだった。
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別の。
由紀のバッグ。
さらに別の。
で乗っている輸入。
会社設直とはえない使い方だった。
私は全部保した。
りに任せてメッセージは送らない。
相の投稿も消されるに記録する。
無料相談の弁護士から教わった通り、私はしずつ「被害者」ではなく「証拠を持っている」になろうとしていた。
数、産会社から連絡が来た。
先の担当者だった。
「さん。あの、社内でも確認しました」
「はい」
「ご主はかなり急いで売却されています。通常より価格をげてもいいから、奥様の退院に引き渡しまで済ませたいと」
私はペンを握った。
「私のことを何て?」
「婚が決まっていて、あなたも同していると説されました」
「類はありましたか」
「売却について奥様の署名が必な契約ではありませんでした。ただ、ご主からはそう聞いています」
「その記録、残っていますか」
担当者はし黙った。
「社内メールに部あります」
私はと担当者名をいた。
さな歩だった。
だが、達也が計画していたことを示す材料になる。
その夜。
またSNSを確認すると、達也の会社の記事が件増えていた。
《注目の若起業》
《型資調達へ》
取材記事で達也は語っていた。
「会社員代から10以準備してきた自己資で創業しました」
私はスマートフォンを机へ置いた。
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嘘だった。
結婚して10。
達也が会社のために貯していた姿など見たことがない。
むしろ計から遣いを増やしてほしいと何度も揉めた。
どうしてこれほど平然と嘘をつけるのだろう。
りより、気悪さが勝った。
その、らない番号から話が来た。
「美緒さんでしょうか」
配の男性の声。
「はい」
瞬の。
「あの、横浜駅で切符をいただいた久世です」
私は息を止めた。
駅の老。
「奥様は……」
「にいました」
声が震えた。
「本当に、最の数ににいました」
私は目を閉じた。
「良かったです」
それだけで分だった。
「妻は私のを握って逝きました。あなたがいなければ、悔やんだでしょう」
老は何度も礼を言った。
そして最に、静かに続けた。
「さん。お礼をしたいと言えば、あなたは断るといます」
私は答えなかった。
「だから、おを渡したいという話ではありません」
「では……」
「あなたが今、困っていることをつだけ教えてください」
私は反射に「何もありません」と言いかけた。
だが、ベビーベッドの陽菜がいた。
私は嘘をつけなかった。
「夫に……とおを取られました」
話の向こうが静かになった。
私は簡単に事を話した。
婚届。
座。
会社。
久世は途でを挟まなかった。
最まで聞いてから言った。
「度、お会いできませんか」
「でも」
「あなたが私にくれた切符を、額で返すつもりはありません」
声は穏やかだった。
「あなたが自分のでち直るために必なものがあるなら、それを探すお伝いをさせてください」
私はまだらなかった。
横浜駅で泣いていたこの老が、物流と産、投資事業をがけてきた企業グループの創業者であることを。
そして数。
老が持ってきた枚の類を見て、私はさらに言葉を失うことになる。
そこには、達也の会社名がかれていた。
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