"60万円の命の値段" 第4話
それどころか、直において、架空の接待交際費を平均万円以着。部に私な費をて替えさせ、それを会社の経費として請求するを常常化させていたのだ。
さらに、社内でのパワーハラスメントに関する内部通報が件。いずれも達也が「俺は役員と太いパイプがある」と脅し、事部に握りつぶさせていたという。
「自分の会社のを横領し、部をいたぶり、妻の父親の命を万で切り捨てる……。救いようのない寄虫ね」
美央がたく言い放ったその、デスクのに置かれていた私用のスマートフォンが震えた。画面には、通を切り忘れていたメッセージアプリのポップアップが表示されている。
『おい、いつまで張ってんだ。俺の母さんが階段から落ちて腰の骨を折ったぞ。けねえんだよ。さっさと帰ってきての世話をしろ。飯の炊きしも溜まってんだ。今戻るなら、飯をわせてやる慈を見せてやる』
メッセージの文面を読んだ黒田が、眉をわずかにひそめた。
「……即座に柄を拘束させましょうか」
「いいえ、黒田さん。まだ泳がせておくわ。この男は、自分が世界のにいると信じ切っている。その肥化した虚栄を、もっとも残酷な形で破裂させてあげたいの」
美央はスマートフォンの画面を伏せた。
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だがその翌、事態は急転直の局面を迎える。帝都産業の内部調査をめていたグループ監査部から、極秘の緊急がび込んできたのだ。
「統帥様、帝都産業の帳簿を精査、過できないな事実が判いたしました」
監査部の顔は青ざめていた。差しされた極秘資移リストの最終ページを指差した瞬、美央の瞳に鋭いがった。
「これは……どういうことなの?」
そこには、達也が関与していた架空取引の資が、馬グループ全体の根幹を揺るがしかねない、ある『禁断の座』へと流していた決定な証拠が記されていたのだ。
「資の最終着先は、のタックスヘイブンに設されたダミー会社です。そしてその座の名義は……」
監査部が差しした類の署名欄。そこにあった名を見て、美央は息を呑んだ。
帝都産業の専務であり、馬グループ本部の元財務理事でもある男の名だった。達也がっていたの横領や経費偽造は、単なる私欲の暴ではなかった。専務が主導する巨な裏作の末端の「集パイプ」として、達也が無自覚に、あるいは甘い汁を吸いながら利用されていたのだ。
「佐々達也は、自分が専務の覚えめでたい特命社員だと信じ込んで、違法な資材転売のダミー契約に自らの名義でサインを連発しています。
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総額にして億千万円」
黒田が酷な笑みを浮かべた。
「法に見れば、彼はいざ発覚した際にすべての罪を被せられるよう仕てられた『トカゲの尻尾』に過ぎません。本はそれに気づかず、自分は特別扱いされていると頂になっていたようです」
美央は背もたれにく寄りかかり、元に置かれた婚届の入った黒いファイルに触れた。
「彼は私に『誰のおかげで飯がえているとっているんだ』と言ったわ。……まさか、自分の首にすでに億円以の縄が巻きついているともらずに」
「いかがなさいますか。専務諸共、検察へ突きせば即座に逮捕許諾がりますが」
「いいえ。帝都産業の社、塚を呼びしなさい。あの男が築きげた砂のが崩れる瞬は、もっともくの観客のでなければがないわ」
そのの夕刻、美央は本部ビルの専用回線を通じて、帝都産業の塚社と対面した。画面越しに映る塚は、総帥の突然の招集に汗を流し、平伏していた。
「塚社。あなたの会社の佐々達也という社員をごですね」
「は、はい! 営業の課代理でございますが……まさか、彼が何か統帥様にご無礼を?」
「彼は私の夫です。……正確には、昨婚届を突きつけた男ですが」
塚の顔から、完全に血の気が引いた。喉からヒッ、と引きつった鳴が漏れる。
「と、統帥様の……ご夫君……!? し、しかし、そのような話は切……」
「分を隠して結婚していましたから。
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