"離婚3か月後、元義母に300万円を要求された私" 第16話
私の数字
曜の朝。
私はいつもよりしくオフィスへ入った。
会議では、買収案件の最終資料が並んでいた。
「美緒さん、負債見込みが当初より千万円ほど増えています」
部が言った。
千万円。
しなら、達也たちの借をいしたかもしれない。
だが今は違う。
「問題ありません」
私は資料をめくった。
「物流部の統で千百万円削減できます。設備投資の期を半期ずらせば、キャッシュもります」
部がすぐメモを取る。
「分かりました」
数字は嘘をつかない。
りないならりない。
使えば減る。
借りれば返す。
自分の選択には必ず結果がある。
私はそれを仕事で何も見てきた。
なのに庭のことになると、なぜかその原則を無していた。
しているから。
族だから。
妻だから。
嫁だから。
そういう言葉を理由に、無理な赤字を埋め続けていた。
達也は、その補填を「当然」とうようになった。
そして補填するがいなくなった途端、自分たちの本当の収支がわになった。
私が彼らを破滅させたのではない。
私はただ、補填をやめただけだ。
会議を終える。
窓のには、の澄んだ空が広がっていた。
スマートフォンは静かだった。
美代子さんからの着信もない。
達也からのメッセージもない。
それでいい。
私はもう、の赤字を自分ので埋めない。
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昼休み。
しいカップでコーヒーを淹れた。
い磁器に、細い青のラインが入っている。
値段はどうでもいい。
自分で選んだ。
それだけで好きだった。
窓際へ座り、む。
か。
達也は私に言った。
《で惨めにきろ》
今なら、はっきり答えられる。
できることと、惨めにきることは全く違う。
誰かに価値を決めてもらわなくていい。
誰かのプライドを守るために、能力を隠さなくていい。
誰かが困った、財布として呼び戻される必もない。
自分のに必なだけを残す。
必のない求には、きちんと「いいえ」と言う。
それだけでは、驚くほど静かになる。
あの。
元義母から話が来た。
《今すぐ百万円持ってきなさい》
私はで笑って答えた。
《でも見てるんですか? しいお嫁さんに頼んでください》
あの言は、彼女たちを獄へ落とすための言葉ではなかった。
私自が、度とあのへ戻らないための言葉だった。
私はカップを置き、次の資料をいた。
画面にはしい数字が並んでいる。
これから先。
私が使うも、おも、能力も。
もう誰かに当然のように奪わせるつもりはない。
私のは、私が管理する。
今度こそ、最まで。
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