"私にだけハズレ料理を出す義母の誤算" 第9話
逃げなき誓約
父が差ししたのは、あらかじめ法な体裁をえて作成された「誓約」だった。
隆は涙で濡れた顔をげ、震えるでその類を受け取った。そこに並ぶ箇条きの条項に目を落とすにつれ、彼の顔が青ざめていく。
、佐々真希は、今切、佐々本(義実)へのち入り、宿泊、および義父母との私な同席を免除されるものとする。 、義母・子は、真希の実および真希個の携帯端末への連絡、接触、訪問を永久に禁止とする。 、誕する子(第子)について、義父母との接触・面会は、子が自らので判断できる分別を備える齢に達するまで、切許しないものとする。 、記条項に違反、または隆が義父母による接触を幇助した、直ちに協議婚に応じ、養育費および慰謝料を所定の算定基準に従い全額支払うものとする。
「こ、これは……」
隆の唇が震えた。
「『分別がつく齢まで、子どもを会わせない』って……それじゃ、母さんは初孫に会えないってことですか!? 写真も見せちゃいけないんですか!?」
「当たりでしょう」
私の母・静が、毅然と言い放った。
「嫁の体に何が入っているか分からない事を平気ですような祖母に、誰がまれたばかりの無防備な赤ん坊を抱かせたいといますか? アレルギー物質を故に混入させられないという保証がどこにありますか?」
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「そ、そんなこと、母さんがするわけない……!」
「『するわけない』ことを、彼女は半やり続けてきたんだよ、隆君」
父の々しい言が、隆の逃げを完全に塞いだ。
「真希がどれほど傷つき、どれほど孤独に耐えてきたか。君はその訴えをすべて『被害妄』の言で踏みにじった。この誓約は、君たちが犯した過ちに対する当然の防壁だ。サインできないというなら、今すぐ婚の続きにむだけだ」
「り、婚なんて……嫌だ! 真希、婚だけは勘弁してくれ!」
隆はペンを握り、震えるで署名捺印欄に自らの名をき込んだ。朱肉で赤く染まった実印が、逃れられない枷となって面に刻まれる。
「……約束する。絶対に、母さんをづけさせない。だから、産まれるまでは実にいていいから、籍だけは抜かないでくれ……」
私は完成した誓約を静に引き寄せ、自らのバッグに収めた。
この男は気づいていない。「分別がつく齢」が具体に何歳を指すのか、この面には言も記されていないということに。
歳なのか、歳なのか、それとも成なのか。それはすべて、母親である私の裁量に委ねられている。
子が見ていた「い孫を抱いて、所に自するおばあちゃん」の未来は、自らが揚げたあの切れのかまぼこによって、完全に断ち切られたのだ。
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