"赤いガーベラと私の家" 第5話
母の絵から届いたメッセージ
私は段ボールをへ入れなかった。
がりそうだったため、根のある玄関脇へ寄せただけで、写真を撮った。
箱。
メモ。
引っ越し会社の類。
刻が分かるようスマートフォンの画面も緒に撮した。
以の私なら、仕方なくへ入れていただろう。
濡れたらかわいそう。
価な物が入っていたら困る。
親子なのだから。
そんな理由を自分で作って。
でも今は違った。
私は裕へ写真を送った。
《同居には同していないと伝えました。荷物を勝に置かないでください。の午までに回収してください》
分。
話が鳴った。
なかった。
度目。
ない。
度目。
そのみちるからも着信。
私は全部無した。
代わりに、美子へ連絡した。
「本当に持ってきたの?」
「うん」
「引っ越し予約まで?」
「してる」
「すごいわね。のを自分のだとってる」
美子はし考えて言った。
「箱、絶対けない方がいいよ」
「私もそうう」
「取りに来なければ、専に聞いて保管方法決めた方がいい」
翌朝、司法士にも相談した。
箱の所権は息子夫婦にあるため、勝に売却や処分をするのは避けること。
定期の回収を求め、それでも放置されるは改めて続きを確認すること。
私はその通りにした。
すると夕方。
玄関の箱は消えていた。
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裕が持って帰ったらしい。
だが引っ越し会社の予約は取り消していなかった。
会社へ確認すると、私は契約者ではないため詳細は教えられないが、なくとも「この所の所者が搬入を許していない」ことは伝えられた。
私はのため玄関へ防犯カメラもつけた。
「ここまでしなきゃいけないのね」
美子へ話すと、彼女は首を振った。
「逆よ。ここまでしていいの。自分のなんだから」
その夜。
フリマアプリから通が届いた。
母の絵について問いわせていた件だった。
運営側からは、取引自体を方に取り消すことは難しいが、購入者へ事を伝えるための続きを案内できるという内容だった。
私は指示通りにめた。
。
購入者からメッセージが届いた。
《事を運営から聞きました》
そこで度、読むが止まった。
《裏側に「子へ」とかれていたので、もしかしたら族の切な物ではないかとっていました》
涙がにじんだ。
さらに続いていた。
《私自、くなった父の描いた絵を持っています。もし本当にお母様の形見でしたら、お返しします》
私は画面を何度も読み返した。
千百円。
送料。
数料。
全部払う。
そう伝えた。
購入者からは、
《代はいりません。送料だけで丈夫です》
と返ってきた。
翌週。
さな宅配便が届いた。
箱をける。
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赤いガーベラ。
し曲がった茎。
裏返す。
《子へ》
母の字。
私はへ座り込んだ。
しばらく絵を抱えたまま泣いた。
売られたよりも、ずっと泣いた。
その夜、額をしく買った。
今度は玄関ではなく、リビングの番よく見える壁に飾った。
母の絵が戻った。
も私のもの。
活も私のもの。
もう誰にも勝に触らせない。
そうった週。
パートを終えてスマートフォンを見ると、みちるから着信が件入っていた。
件目が鳴る。
私はし迷ってからた。
「何?」
「あの……お母さん」
いつものい声ではなかった。
「引っ越し先って……」
妙に震えている。
「何?」
「さいですよね?」
「そうよ」
「そこに……きい犬、何匹いるんですか?」
私はわず、美子の顔をい浮かべた。
どうやら裕は、私がのドーベルマンと散歩しているところを見たらしい。
私はしだけ考えて答えた。
「気になるなら、見に来たら?」
話の向こうで、みちるが息を呑んだ。
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