"成人式に消えた母と十三着目の振袖" 第2話
しない13着目
2024、乃は資繰りの悪化によって閉することになった。振袖の購入契約をめぐる苦と、払いの返還請求がなり、から追加融資を断られたのである。30歳になった紗季はの消費活相談員として働いており、千鶴から、倉庫に残った装と顧客類の理を伝ってほしいと頼まれた。
紗季は最初、母を棒として扱ったへ戻りたくないと断った。しかし予約を取り戻せず困っている客がいると聞き、業務ではなく親族として、弁護士ち会いのもとで理へ参加した。千鶴を疑っていたわけではない。母が消えたあと10、自分を育て、活を支えてくれたへ最の恩返しをするつもりだった。
13番の振袖は、倉庫最奥の装棚をかした裏から見つかった。のにの鶴が描かれ、裾だけが自然にい。2014の成式には12着を貸ししたと当の台帳へ記録されていたが、13番の管理札も、受取の署名もしなかった。
装棚のには、同じ所だけ焼けしていない角い跡があった。振袖は最隠されたのではなく、なくとも倉庫を改装した2015よりから置かれていたと分かる。紗季は発見の棚、封印、糸の状態を弁護士に撮してもらい、自分が触れた範囲も記録した。で証拠を作ったと疑われないためだった。
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乃の装は通常、管理番号を衿裏と帯箱の2か所へ記す。だが13番には衿の札しかなく、帯箱は見つからなかった。代わりに袖の奥へ写真の受付番号が鉛でかれ、真壁が使っていた撮管理表の番号と致した。装は貸用ではなく、写真と契約を結びつけるための具だった能性がまった。
しかも名札にある《川紗季》は、母の跡ではない。千鶴がの申込札へく字に似ており、「紗」の糸偏をきく払う癖まで同じだった。千鶴は、10の繁忙期だから誰かが仮名をいたのだろうと説し、古い装にを探さないよう紗季へ促した。
紗季は振袖の裾を指で確かめた。仕てに詳しくないが縫い直したように、裏の部だけ糸のが違う。弁護士の承を得て糸をすと、いビニール袋に包まれたさな鍵、フィルムのネガ、複写式の契約3枚がてきた。
契約は額な振袖購入ローンの申込で、いずれも乃が販売となっていた。契約者は当18歳から20歳の女性で、購入額は1件120万円。けれど管理台帳には、その3が振袖を買った記録どころか、来した記録さえなかった。
1目の所は児童養護施設、2目は母子活支援施設だった。3目の瀬葵は、乃で期の着付け助をしていた19歳の女性で、奈津子と同じに姿を消している。
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警察は10、葵を奈津子たちの逃へ加わった若い共犯者と見ていたが、氏名は報されなかった。
紗季が民票の保記録を弁護士経由で確認すると、さらに異常が見つかった。1目の契約者は、申込の8かに病気でくなっていた。2目は読みきに支援が必で、契約へ記された勤務先で働いた事実がない。乃は、振袖を渡していない相の名義でローンだけを組んでいた能性があった。
契約の販売担当欄には奈津子の印が押されていた。しかし跡は母のものではなく、付の数字に俊夫の癖があった。紗季がそのことを千鶴へ伝えると、千鶴は急に鍵を取りげようとした。「閉処理に関係のない昔のでしょう。警察へ渡せば、またお姉ちゃんの名が傷つく」。その言葉は配というより、調査を止める警告に聞こえた。
さな鍵には《桜町駅・荷物保管所31》という古い札がついていた。駅の保管所はすでに廃止されていたが、運営会社の記録では、期契約の31番箱だけが2014から未解約になっている。使用料は毎現留で支払われ、差名は空欄だった。
箱をけるには契約者本の同か、警察のち会いが必だった。紗季は契約と鍵を県警へ提し、10の失踪事件との関連を説した。担当刑事はすぐ事件扱いにはできないとしながらも、くなった女性名義のローンがあるため、詐欺の疑いで保全続きを取ると約束した。
その夜、紗季の自宅へ千鶴が来た。閉で疲れているのだから、過まで背負う必はないと優しく諭し、母が盗んだは自分たちが返したのだと繰り返した。紗季が、返済に使った原資を尋ねると、千鶴は初めて答えに詰まった。
「保険と、を担保にした借よ」
ところが乃の登記簿では、舗と倉庫に抵当権が設定された形跡はなかった。閉までを所していたのも千鶴ではなく、《ライフサポート株式会社》という別会社だった。代表取締役は夫の俊夫で、設は奈津子が消えるわずか17だった。
翌朝、紗季の勤務先へ匿名の封筒が届いた。には2014の乃の集写真が1枚あり、裏に赤いペンでかれていた。
《13番は装の番号ではない。名を貸された13目だ》
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