"成人式に消えた母と十三着目の振袖" 第8話
共犯者と呼ばれた19歳
瀬葵は、千葉県のさな弁当で働いていた。29歳になった彼女は11歳の息子と2で暮らし、乃にいたことを職にも話していなかった。紗季と会う条件として、所を記録せず、息子の写真を撮らないこと、警察へ話す内容は自分で決めることを求めた。
2014当、葵は施設をたばかりで、乳児を預けられる保育所も保証もなかった。千鶴はみ込みの仕事を与え、子どもの面倒も見ると約束したため、葵は恩だとっていた。だが料から装代、研修費、部代が引かれ、辞めたいと言うと138万円のローン残を請求された。
俊夫は、葵が契約していないと抗議すると、施設へ戻されれば子どもと別々になると脅した。の振袖を着せられた撮では、笑顔を作るまで帰らせてもらえず、首の痣は階段から逃げようとしてつかまれた跡だった。奈津子は最初、そのを準備による論だとい、葵の説を信じなかった。
数、奈津子は葵の部で督促状と、同じ所へ届いた別名義の封筒を見つけた。そこでようやく妹夫婦の正に気づき、謝罪した。葵は警察へくことを恐れたが、奈津子は《黙れば次の子が使われる》と説得し、自分が全責任を負うと約束した。
「その約束が、私は嫌だったんです」
葵は紗季へ言った。
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奈津子は守ると言いながら、警察へくも、移る施設も、240万円の部を受け取ることも先に決めた。葵が息子と緒なら危険でも元へ残りたいと話しても、俊夫に見つかるからと聞き入れなかった。正しい判断だった部分はあっても、本の選択を奪ったことに変わりはない。
警察署をたあと、3は真壁のワゴンで弁護士事務所へ向かった。しかし途で俊夫のに追われ、横須賀の体駐へ逃げ込んだ。真壁は桐箱を持って別のへ向かい、奈津子は葵親子をタクシーへ乗せた。履が片方残ったのは、そのとき奈津子が階段で転んだからだった。
真壁は箱を弁護士へ届ける直、俊夫と雇われた男2に襲われた。原本の部を奪われ、カメラも壊されたが、13番の振袖と駅保管箱の鍵だけはの写真へ預けていた。写真が閉した際、事をらない主が振袖を乃の倉庫へ返したため、俊夫たちもに気づかなかった。
真壁は警察へ被害を届けたが、奈津子との逃を助けた物として先に疑われた。既婚女性との関係を追及され、殴った男の特徴より、奈津子と何回会ったかを繰り返し尋ねられたという。嫌気が差して告訴を取りげた結果、俊夫側は暴力について追及されず、世には駆け落ちの噂だけが残った。
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今回の再聴取で、真壁は当の曖昧な説についても謝罪した。奈津子を守るつもりで葵のを伏せたが、3が緒だった理由を隠したことで倫説を否定できなくした。秘密にすることがいつも保護になるわけではなく、説されない空は力を持つ側に利用されると認めた。
葵は奈津子とともに女性支援施設へ入り、半には別の県へ移った。真壁もけがから回復し、証拠を奪われた責任をじて方へ転居したが、2が恋関係だった事実はない。彼は現もきており、葵の連絡を受けて警察へ証言するを示していた。
では、なぜ奈津子は紗季へ連絡しなかったのか。葵によれば、最初の1は俊夫が葵親子を探しており、連絡すれば娘まで追跡されると考えていた。ところが2015末、奈津子は支援施設をて、横浜へ戻る準備を始めた。娘に直接謝り、240万円の件も含めて警察へするつもりだった。
その直、千鶴から連絡が来た。紗季名義の偽契約、護学への匿名通報文、母の共犯を示すよう加した写真を見せられ、戻れば娘の資格取得を妨害すると脅された。奈津子は公証役で持分譲渡と接触禁止へ署名し、代わりに偽契約を破棄させたとっていた。
しかし千鶴は契約を破棄していなかった。現の宅捜索で、俊夫の庫から紗季名義の原本と、護学へ送る予定だった告発文が見つかった。
妹夫婦は約束を守るつもりなどなく、姉が戻ったに再び使うため保管していたのである。
葵は2017まで奈津子と連絡を取っていた。奈津子は県の装修繕で働き、与の部を被害者へ匿名送していた。ところが2018、《これ以、あなたを私の証にしてはいけない》というを最に、連絡が途絶えた。
「奈津子さんはきているんですか」
紗季の問いに、葵は首を横へ振った。らないというだった。だが別れ際、古い母子帳ケースから1枚の宅配伝票を取りした。差は2021113、成式からちょうど7。奈津子の字で、紗季が着た藤の振袖の修繕を依頼した記録が残っていた。
母はなくとも2021まで、娘の振袖がどこにあるかっていた。
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