"雪の空港で消えた四人と第七格納庫" 第5話
35に消えた備士
族への正式な連絡は翌朝から始まった。野は被害者支援担当者だけに任せず、自分で軒ずつ訪ねることにした。35待った族へ、「見つかりました」という言葉を話本で済ませることだけはしたくなかった。
最初に訪ねた宅順子の母・恵子は68歳になっていた。玄関で警察帳を見せた瞬、恵子は何も聞かないうちに「見つかったんですね」と言った。その声には驚きよりも、いつか必ずこのが来ると覚悟し続けたの疲れがにじんでいた。
居には順子の写真が今も何枚も飾られていた。幼い子どもを抱く姿、制姿、族旅で笑う姿。失踪に歳と歳だった子どもたちはすでに40代になり、それぞれ庭を持っているという。
「きていてほしいとっていました。でも、同に分かっていたんです。あの子が子どもを置いて35も帰らないはずがないって」
恵子はそう言ってから、い沈黙のにの男のことをいした。
最初の追悼会へ来た空港職員だった。
「鏡をかけた男のでした。制姿で、ずっと静かにしていたんですけど、順子の勤務とか、普段誰と緒に帰るのかとか、妙に細かいことを聞いてきたんです」
佐藤理の婚約者だった健も同じ物を覚えてはいなかったが、理自が以、空港内で「いつも同じ備のを見かける」
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と話していたことをいした。職が同じだから当然だとい、当は気に留めなかったという。
さらに奈の弟・直からは別の報がた。奈は失踪の数か、内で審な乗客に付きまとわれ、航空会社へ報告をしていた。しかし野が資料を確認すると、その物は事件当夜には京にいたことが判し、直接の容疑かられた。
最に会った森田さゆりの妹・弓が決定な話をした。
「姉は、空港の男につけられているかもしれないと言っていました」
失踪の話だった。
搭乗へけば、その男がいる。
休憩のを通れば、れたところにっている。
勤務を終えてターミナルをるも、何度か姿を見た。
「鏡をかけた、物静かな備のだと言っていました。姉は『気にしすぎかもしれない』って笑っていましたけど……」
野はそので柴田へ連絡した。
つの族から、同じ特徴の男が浮かんだ。
柴田はすでに旧斗空港の雇用記録を掘り起こしていた。198912、第7格納庫に正式な入権限を持っていたは備士、管理職、警備員をわせて146。そのうち男性は118。
条件をさらに絞った。
事件当30代。
鏡。
第7格納庫へ常に入り。
そして事件直に退職、異、期休職など自然な変化があった物。
午を過ぎたころ、野の携帯が鳴った。
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柴田だった。
「いる」
声がいつもよりかった。
「黒田信司。当35歳。航空の気系統を担当する備士で、第7格納庫が主な職だった」
野はペンを握ったままちがった。
「事件は?」
「1226、つまり失踪のに病欠。それから度も職へ戻っていない。けに『精神な調で療養する』という類をし、そのまま退職している」
柴田は数秒黙った。
「それだけじゃない」
黒田の古い職員写真が画面へ送られてきた。
細の男。
い黒髪。
太い縁の鏡。
そして当の族が証言した特徴と、ほとんど致していた。
野が写真を見ていると、柴田が最の報をにした。
「こいつ、1989以にもつの空港で働いている」
福岡。
阪。
仙台。
柴田は続けた。
「今、各の未解決失踪事件を照してるんだが――」
そこで度言葉を切った。
「黒田が勤務していた期に、若い航空関係者が何も消えている」
の失踪事件は、最初ではなかった能性がてきた。
そしてその瞬、復元作業に回していたカセットテープについて、音声解析から本の連絡が入った。
《録音内容の部を復元。男の声、および複数の女性の声を確認》
35、あのさな部で何が起きたのか。
その答えが、テープのに残っていた。
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