"血染めの写真と三文字のSOS" 第12話
私はポケットからスマートフォンを取りし、縮ダイヤルで事に連携していた所轄警察署の活全課へと発信した。
スピーカーから呼びし音が鳴り響いた瞬、達也は舌打ちをして私のを振り払った。
「クソが……! 覚えとけよ! 絶対に許さねえからな!」
捨て台を残し、達也は転がるようにしてスタジオの扉をけて逃していった。
静寂が戻ったスタジオで、結さんは美桜ちゃんを抱きしめたまま、そのに崩れ落ちて号泣した。
「ごめんなさい……私のせいで……皆さんを巻き込んでしまって……」
「結さん、謝らないでください。悪いのはあいつです。もう度とづけないよう、、正式に続きをしましょう」
翌朝、私は結さんと共に警察署を訪れ、過の傷害事件に関する診断と、昨の舗襲撃に関する被害届を正式に提した。警察も事態の刻さをく受け止め、接禁止命令の続きをめるとともに、スタジオ周辺のパトロールを化することを約束してくれた。
そして、そのの午。
スタジオのに、台の審な黒い軽自が猛スピードで乗り付けてきた。
からりてきたのは、鉄パイプのような属の棒をにした達也だった。
「結! てこい! ぶっ殺してやる!」
狂ったように叫びながら突してくる達也の姿を窓から確認した私は、即座に〇番ボタンを押した。
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「警察です! 昨相談したストーカーの加害者が、凶器を持って舗に現れました! 至急お願いします!」
通話を繋いだまま、私は奥の部にいた結さんと美桜ちゃん、そして学から帰っていた太を押し込んだ。
「絶対に鍵を閉めて、にてくるな!」
私がスタジオのフロアに戻ると同に、ガラス戸がガシャンと音をてて蹴破られ、達也が侵入してきた。
「てめえ! よくも警察にチクリやがったな!」
振りげられた属パイプ。私は展示用の頑丈な製スツールを盾にしてその撃を受け止めた。凄まじい衝撃が腕にる。
「やめろ! もう警察は向かっている!」
「うるせえ! おもろとも皆殺しにしてやる!」
達也が再びパイプを振りげた、まさにその瞬だった。
ウーウーというけたたましいサイレンの音が至距で鳴り響き、複数のパトカーがスタジオのに急した。
「警察だ! 凶器を捨てろ! くな!」
踏み込んできた数名の警察官が、瞬にして達也の体を取り押さえ、たいのへとねじ伏せた。
「せ! 俺は被害者だ! しやがれ!」
暴れ狂う達也の両首に、カチャリとたい錠が嵌められた。
「柏達也容疑者。暴、脅迫、居侵入、およびストーカー規制法違反の現犯で逮捕します」
パトカーの部座席に押し込まれながら、達也は窓ガラス越しに私を血った目で睨みつけてきたが、その線に怯む者はもう誰もいなかった。
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パトカーがり、奥の部のドアがいた。
震えながらてきた結さんと美桜ちゃんを、私は温かく迎え入れた。
「……終わりましたよ。もう、あの男がここへ来ることは度とありません」
結さんはそのに崩れ落ち、私のを取って粒の涙を流した。
「ありがとう……ございます……本当に、私たちを救ってくださって……!」
数週、達也は傷害とストーカー規制法違反で正式に起訴され、弁護士を通じて結さんとの婚調も迅速に成した。
母子を苦しめ続けた呪縛は、完全に断ち切られたのだ。
しかし――事件が解決し、平穏が戻ったスタジオで、たな問題が静かにをもたげ始めた。
美桜ちゃんの様子が、らかに自然だったのだ。
あるの午、スタジオで太のポートレートをテスト撮していたのことだ。
「美桜ちゃん、ちょっとこっち向いてくれるかい? い笑顔を撮らせてよ」
私が笑顔でカメラを向けると、美桜ちゃんはビクッと肩を震わせ、両で顔を覆って背を向けた。
「……撮らないで」
「え……?」
「写真、やだ……カメラ、きらい……」
美桜ちゃんは逃げるようにしてスタジオの隅の暗いスペースへ駆け込み、膝を抱えてさく丸まってしまった。
そのを境に、美桜ちゃんはカメラという材そのものを極端に恐れるようになった。
ファインダーを向けられると怯えて逃げし、スタジオの壁に飾られている美しい族写真を見るのすら拒絶して線を逸らす。
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