みかん小説
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"剣を捨てない花嫁" 第10話

初めて髪飾りを選んだ

がづく頃、町では祭りの準備が始まった。

久世にも反物が訪れ、の女たちはしい着物を選んでいた。

私は最初、関係ないとっていた。

着物はきにくい。

帯は苦しい。

髪を結えば首が疲れる。

袴の方がずっと楽だった。

だが佳代が枚のい青の反物を私へ当てた。

「奥様、これ似いますよ」

「そうですか?」

「はい。派すぎないし」

絹乃まで頷いた。

「髪をしげれば、もっと似うといます」

以なら、女らしくしろと言われているようで嫌だったかもしれない。

でもの言い方には押しつけがなかった。

着てもいい。

着なくてもいい。

そので私は初めて、自分で選んでみたいとった。

「では、それにします」

祭りの。

私は青い着物を着た。

鏡のに座ると、佳代が髪をえてくれた。

かった髪も、嫁いでからし伸びている。

最に彼女が箱をけた。

にはさなのかんざしがあった。

「若旦からです」

驚いて振り返る。

「臣さんが?」

「はい」

夜、祭りから戻った臣に聞いた。

「なぜかんざしを」

「似うとった」

「私に?」

「に誰がいる」

同じ言葉。

夜の庭で刀を渡されたと同じだった。

「でも私は、こういうものをつけたことがありません」

「嫌なら使わなくていい」

「……嫌ではありません」

自分のからた言葉に、自分で驚いた。

臣が私のからかんざしを取った。

「つけてもいいか」

私は頷いた。

慣れないつきで、彼は私の髪へ差した。

し斜めだった。

「曲がっています」

「分かっている」

「直してください」

「難しい」

で笑った。

鏡を見る。

青い着物。

まとめた髪。

のかんざし。

昔の私なら、自分ではないとっただろう。

でも今は違った。

袴をはいて剣を振るう私もいる。

着物を着てかんざしを挿す私もいる。

どちらかつに決めなくていい。

「似う」

臣が言った。

鏡のの自分を見て、私は初めて素直にった。

悪くない。

それは誰かに褒められたからではない。

自分でそうえたのだ。

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