みかん小説
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"剣を捨てない花嫁" 第14話

母がくれた櫛

あるの、母がさな箱を持ってきた。

には古いの櫛が入っていた。

「あなたがまれたに買ったの」

初めて聞いた。

母は娘の髪を梳かすを楽しみにしていたらしい。

だが歳で髪を切られ、そのは渡す会を失った。

「ごめんね」

母は言った。

「止められなかった」

私は櫛をに取った。

「お母様のせいではありません」

「いいえ。私も怖かったの。がなくなることも、お父さんに逆らうことも」

母の目から涙が落ちた。

「だからあなたにさせた」

私は母のを握った。

「私は今、幸せです」

「本当に?」

「はい」

それは慰めではなかった。

久世での暮らしは楽なことばかりではなかった。

傷ついたこともある。

ったこともある。

それでも私は、自分で選べるようになった。

剣を握るか。

着物を着るか。

へ帰るか。

戻らないか。

誰をするか。

歳の私にはつも選べなかったことだ。

その夜、私は母の櫛で髪をえた。

鏡ので臣が見ていた。

「今はかんざしを使わないのか」

「今はこれにします」

「似う」

「何でも似うと言いますね」

「事実だから仕方ない」

「信用できません」

そう言いながら、私は笑った。

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