みかん小説
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"車いすの恋人に請求された三万三千円の「迷惑料」" 第5話

伝票にかれた万千円

菜は季節の野菜を使った繊細な皿だった。菜はべて、「は変わってない」とさく笑った。その言葉を聞いて、俺はこのが彼女にとって特別な所なのだと改めてじた。だが、せっかくの料理を楽しもうとするたびに、員がテーブルの横に現れてを告げた。

「あと分です。お事のペースをげてください」。菜は元のナイフを置き、「まだ菜をべているんですが」と答えた。員は計を見ながら「それはお客様のご都ですよね」と言った。俺は予約メールを示し、通常のコースと同じを確保してほしいと申し入れたが、彼は「に確認します」と言ってちったまま戻らなかった。

次の皿が運ばれたのは、その分だった。菜がべ始めてもなく、員がを伸ばして皿をげようとした。「まだ残っています」。俺が制止すると、彼は「になりましたので」と答えた。菜は器を握り直し、初めてはっきりと「私がべ終わったかどうか、聞いてください」と言った。員は満げな顔をしたが、皿を戻した。

俺はそので予約確認メール、テーブルの砂計、料理が運ばれた刻を記録した。に言い争っても、から『客が騒いだ』と言われかねない。菜も俺の図を察したのか、スマートフォンのメモに員の発言をき留め始めた。

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で目をわせたとき、彼女はしだけ頷いた。俺たちは、ただして帰るつもりではなかった。

やがて員が「おです」と告げ、デザートをさないまま伝票を置いた。俺は最初から最まで説のない扱いに納得できず、「支配を呼んでください」と頼んだ。すると員は「お会計を済ませてからにしてください」と伝票を指で叩いた。そこにかれた数字を見て、俺はわず度見した。

予約したコースは万千百円、で万千百円のはずだった。しかし伝票の計は万千百円。差額の万千円には、『特別清掃・席補償費』という見慣れない項目が印字されていた。「これは何ですか」。俺が尋ねると、員は元をゆがめた。

「いすのお客様には、迷惑料をいただいています。席を広く使われると、ほかのお客様をご案内できませんから」。菜が息を止めたのが分かった。俺は努めて声を落とし、「事に説もなく、障害を理由に追加料を取るのですか」と確認した。員は肩をすくめ、「嫌なら最初から普通のおにけばいいんですよ」と言った。

そのへ支配の相沢が現れた。俺が事を説すると、相沢は伝票を見ることさえせず、「当の判断です。お支払いいただけないなら警察を呼びますよ」と言い放った。

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さらに菜のいすを瞥し、「その状態で級へ来るなら、の負担は当然でしょう」と続けた。菜の顔から表が消えた。

俺はちがりかけたが、菜が俺の首にそっと触れた。彼女はいすのブレーキを確かめ、ゆっくりと相沢を見げた。「私のことをどうっているかは分かりました。でも、私の恋まで見すのはやめてください」。その声は震えていなかった。相沢は笑い、「何を言っても料は変わりませんよ」と答えた。

菜は伝票をに取り、印字された万千円を指で示した。「では、この料を誰が決め、いつから取っているのか、記録をしてください」。相沢は「お客様には関係ありません」と突っぱねた。菜は度だけく息を吸い、俺のらないい調で言った。

「関係あります。こののオーナーは、私の父です」

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