みかん小説
本棚

"家ごと消した母の反撃" 第2話

のと招かれざる寄虫

ワインの染みたを引きずり、私はうようにして呂へ向かった。 いシャワーをから浴び、全を鹸で何度も擦り洗いする。排へと渦を巻いて流れていく赤黒い泡を見つめながら、私はこれまでのと、このに起きた悪のような々の記憶を辿っていた。

夫の博は、寡黙で頑固な典型な百姓気質の男だ。 数は極端にないが、朝から没まで休むことなく田畑を耕し、決して私や子供たちに自由ないをさせまいと汗を流し続けてくれた。 私たち夫婦のにはの息子がいる。 男の孝志と、歳の次男・聡(さとし・歳)。 次男の聡は実直で優しく、元の品メーカーで営業職として堅実に働き、自して暮らしをしている。に度は必ず実に顔をし、「母さん、米や野菜はりてるか? 無理しちゃダメだよ」とい荷物を運んでくれる親孝な息子だった。

問題は、男の孝志だった。 子供の頃から領ばかりが良く、な努力を嫌い、を卒業してからは定職に就かず、フリーターと称してパチンコや競馬に料を注ぎ込んできた。 その孝志が、の、何の事連絡もなく突然実に連れてきたのが、あの綾だったのだ。

『お袋、紹介するわ。

広告

俺の嫁の綾。先もう籍入れといたからよろしく』 事に相談はおろか、結婚の報告すらなく、事承諾で連れてこられた派な女。 夜ので働いているという綾は、玄関にを踏み入れるなり、をつまんで言い放った。 『うわっ、何この! 狭っ! カビ臭いし、昭の遺物ってじね!』 、私たち夫婦が汗垂らしてローンを完済し、老の活線を考えて丁寧にリフォームをねてきた切なマイホーム。所の友たちが豪勢な築を建てる、私たちはの丈にったこの古宅を慈しみ、庭にさな壇を作り、柱の傷つひとつに息子たちの成を刻み込んできたのだ。 それを、初対面で「昭の遺物」と嘲笑った綾の無神経さに、私の背筋は凍りついた。

だが、悪はそれだけでは終わらなかった。 半ほど、孝志から突然本の話が入ったのだ。 『アパートの更料払うのもったいねえからさ、来週から綾と緒に実で同居するわ。この、もうローンないんだろ? だったら部余ってんだから、俺たちがんだって減るもんじゃねえだろ』 あまりの勝さに、私は受話器を握りしめて猛反対した。 『同居なんて冗談じゃないわ! 嫁姑がうまくいくはずがないし、体、あなたたちの活はどうするの!』 しかし、孝志は『綾もオッケーって言ってんだからグダグダ言うな!』と方に話を叩き切った。

その夜、帰宅した夫の博に相談したが、夫は男の結婚をのどこかでんでいた節があり、「まあ、息子夫婦が帰ってくるなら賑やかでいいじゃないか。活費をきちんと入れさせるなら、受け入れてやろう」と呑気に頷いてしまったのだ。 この甘い判断が、私たち夫婦の穏やかな老を獄の業へと突き落とす引きになるとは、このの博はにもっていなかった。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: