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"誤爆LINEの夜" 第16話

会社で最にすれ違った

婚も、俺と子はしばらく同じ会社にいた。

部署が違うため、普段顔をわせることはない。

それでも社員堂やエレベーターで見かけることはあった。

以なら、くに子を見つければ自然に線を向けていた。

今は違う。

らない社員を見るのとほとんど変わらなかった。

ただ度だけ、エレベーターできりになったことがある。

子は先に乗っていた。

扉がき、俺がっているのを見て瞬驚いた。

俺もし迷ったが、そのまま乗った。

階から階まで。

わずか数秒。

誰も話さなかった。

階へ着く直。

子がさく言った。

「直」

俺は振り向いた。

「幸せだったもあったよね」

俺は数秒考えた。

「あったよ」

嘘をつく必はないとった。

すべてが獄だったわけではない。

楽しいもあった。

本当に好きだった。

それは倫が発覚したからといって、過から消えるものではない。

子はし笑った。

「よかった」

扉がいた。

それだけだった。

子はその数週、会社を辞めた。

正式な理由は俺にはらされていない。

勤怠の問題。

職の関係。

婚。

いろいろなったのだろう。

なくとも、俺が会社へ「辞めさせてほしい」と頼んだことは度もない。

噂では、実くの会社で働き始めたらしい。

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慰謝料の支払いもあるため、以より活は楽ではないと聞いた。

だがそれも、もう俺が関わることではない。

俺自にも、会社用端末を私用した件について正式な注記録が残った。

自分の判断でやったことだ。

そこから逃げる気はなかった。

この件で俺が学んだのは、証拠を取るためなら何をしてもいい、ということではない。

な状況でも、自分自のには責任があるということだった。

あの、もし俺がへび込み、青を殴っていたら。

もし子のスマートフォンを無理やり奪い、勝にを全部コピーしていたら。

話はもっと複雑になっていただろう。

俺は完全に静だったわけではない。

会社スマホを使ったことなど、その証拠だ。

それでも、あの夜に拳を使わず、言葉と証拠だけで終わらせたことだけは悔していない。

婚からか。

は売却した。

あそこへ戻ってで暮らす気にはなれなかった。

ソファも。

寝も。

玄関に置かれていた青の靴も。

いす。

だから、しい所へ移ることにした。

さな賃貸マンション。

以のより狭い。

でも議と、初めて鍵をけたに息が楽になった。

誰が何をした所でもない。

俺だけの、しい部だった。

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