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"誤爆LINEの夜" 第18話

「ただいま」と言える所

婚からほど経った。

仕事は変わらず忙しい。

張もある。

朝い幹線に乗ることもある。

以なら、張夜になるとどうしてもあのをいしていた。

子から、

「駅のホテル泊まったら?」

と言われた夜。

自分では親切な提案だとっていた。

まさか自分をからざけるための言葉だったとは考えもしなかった。

けれどが経つにつれ、その記憶もしずつ過になった。

ある曜。

予定していた方張がく終わった。

幹線ので、隣に座っていた同僚が笑った。

「秦さん、今戻る予定じゃなかったですよね」

「ああ。先方の打ちわせがく終わったから」

「族に連絡したんですか?」

瞬だけ言葉に詰まった。

「今、なんだ」

「あ、すみません」

「いや、全然」

本当に気にならなかった。

京へ着いたのは午だった。

昔なら、予定よりく帰宅することに何のもなかった。

今も同じだ。

誰に許を取る必もない。

駅のスーパーで弁当を買い、居へ帰る。

鍵をける。

当然、部は暗い。

男物の靴もない。

ワインの匂いもしない。

誰かの笑い声もない。

静かな部だった。

俺は照をつけた。

「ただいま」

習慣でからた。

返事はない。

それでも、以ほど寂しくじなかった。

着を脱ぎ、テレビをつける。

テーブルへ弁当を置く。

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スマートフォンが震えた。

瞬、胸が反応した。

けれど画面に表示されたのは、母からのメッセージだった。

《張どうだった?》

《く終わった。今帰った》

すぐに返事が来る。

《お疲れさま。ちゃんとべなさいよ》

俺は笑った。

《今べる》

弁当の蓋をけた。

ごく普通の曜の夜。

何も起こらない。

誰も隠れていない。

誰にも嘘をつかれていない。

その「何も起こらない」ということが、今はありがたかった。

子を憎み続けているわけではない。

幸せになってほしい、と積極に願えるほど達観もしていない。

ただ、もう俺のとは別の所にいるだとっている。

俺自も、あの来事以のには戻れない。

を疑うことを覚えた。

同に、自分のを守ることも覚えた。

あの。

俺が「ただいま」と普通にへ帰った。

子はこの世の終わりのような顔をした。

当の俺には、その景がすべてを失った瞬にえた。

けれど今振り返ると、し違う。

あれは終わったであると同に。

俺が、自分のへ帰り始めたでもあった。

スマートフォンを伏せる。

静かな部を見回す。

そして俺はもう度、さく言った。

「ただいま」

今度は誰に聞かせるためでもなかった。

ここが、自分の帰る所だと確認するためだった。

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