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"孫に「ここに居たければ黙れ」と言われた私が、翌朝家を出た理由" 第4話

「居候」と呼ばれた午

「おい、聞いたか。うちの居候ばあさん、また文句言ってる」

蓮斗が友達のでそう言ったのは、の曜だった。私はみ物をしたあと、こぼれたジュースだけ拭いてほしいと頼んだのだが、蓮斗は私を親指で指し、面い冗談でも言ったように笑った。のうちはつられて笑い、は顔を伏せた。残りのは、何と言えばよいか分からない様子でペットボトルを握っていた。

「この、うちにませてやってるのにさ。細かいんだよ」

私はそのでの名義を言い返すこともできた。けれどの友たちので財産の話をすれば、蓮斗はもっとになるとった。私は「こぼしたものは自分で拭いてね」とだけ言い、布巾をテーブルに置いて部をた。廊へると笑い声がまたきくなり、台所の計の音までくじられた。

数、護学代からの友、千鶴が訪ねてきた。彼女とは以の付きいで、夫が病に倒れたときも夜勤けに病院へ来てくれただ。玄関で私の顔を見るなり「幸子、ずいぶん痩せたんじゃない」と眉を寄せ、台所に並んだ分の器を見て首をかしげた。私はいつものように「みんな忙しいから」と笑ってごまかした。

そのとき蓮斗が階段をりてきた。千鶴が「蓮斗君、きくなったわね」

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と声をかけると、孫は返事をせず私を見た。「ばあさん、勝に客なんか呼ぶなよ。うるさいんだよ」。千鶴の表が変わったのを見て、蓮斗はしだけを止めたが、謝らずに玄関からていった。私は急須を持つが震え、湯みを置く所を違えそうになった。

「いつからあんなを利くようになったの」

千鶴は私を責めるのではなく、逃げを塞がない静かな声で尋ねた。私は階段のゲートのこと、学費のこと、友ので居候と言われたことを順番に話した。にしてみると、どれもつずつはさなとして片づけてきたことだったが、ねると自分の暮らしがほとんど残っていなかった。話し終えるころには、お茶がすっかりめていた。

「幸子、ここはあなたのでしょう。なのに、どうしてあなたが客を呼ぶ許をもらわなきゃいけないの」。千鶴は私のを包み、しを置いて続けた。「蓮斗君が反抗期なのと、あなたをとして傷つけていいことは別よ」。私はさくうなずいたが、すぐには返事ができなかった。孫を守りたい気持ちと、自分を守りたい気持ちが、いあいだ私ので同じものだとい込まれていた。

千鶴が帰る、私は初めて具体な相談をした。「もし私がこのをれたいと言ったら、しの、泊めてもらえるかしら」

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。千鶴は驚いた顔をしたが、すぐに「いつでも。鍵を預けておくわ」と答えた。彼女は自宅の鍵をつ取りし、私ののひらに載せた。私はそれを財布の銭入れにしまい、誰にも見つからないようにした。

千鶴が差しした鍵は、のさなものだった。私はそれを握りながら、これまで度も「泊めてほしい」とに頼んだことがないと気づいた。困っているにを貸すのは慣れているのに、自分が助けを求めるのはこんなに難しい。千鶴は何も言わず、鍵が私のから落ちないように指をそっと閉じてくれた。

その晩、孝太にだけで話したいと頼んだ。蓮斗が私を居候と呼ぶこと、真理恵がはやがて孝太のものになると話していることを伝えると、息子は困ったように額をこすった。「母さん、真理恵も悪気があるわけじゃないよ。蓮斗だってそのうち落ち着く」。私は「あなたはこのが自分のものになると、蓮斗に言ったの」と尋ねた。孝太はすぐには答えなかった。

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