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"孫に「ここに居たければ黙れ」と言われた私が、翌朝家を出た理由" 第5話

机のの枚

翌朝、孝太は私の問いに答えないまま勤した。私は夫の写真のでをわせてから、古い類箱を取りした。弘がくなったとき、司法士に依頼して相続登記を済ませてある。もも私の名義であり、孝太へ譲る約束をした覚えは度もない。名義が変わるときには正式な続きが必だと、当説を受けたことも覚えていた。

午、真理恵が買い物へたあと、卓に置かれた族共用のプリンターからが枚はみしているのに気づいた。私が引き抜いたのは、の取り図でも学の類でもなかった。「産の贈与に関する相談事項」という見しのついた、相談用のメモだった。そこには私の名と所がかれ、「所者が齢のため、めに息子名義への移転を希望」と入力されていた。

希望しているのは誰なのだろう。私はそのを勝に持ちらず、スマートフォンで付と記載内容が分かるように撮した。裏面には相談予定のと、駅の司法士事務所の名があった。予定は翌週の曜で、相談者の欄には「宮孝太・真理恵」とある。なくともは、私に何も話さないまま名義変更について相談しようとしていた。

夕の席で私は、何もらないふりをして尋ねた。「孝太、最、のことで何か考えていることがあるの」

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。息子は箸を止め、真理恵を見た。彼女は平然と「古いですから、将来のことは考えないといけませんね」と答えた。私が「私ののことなら、まず私に話してほしいわ」と言うと、真理恵は笑顔を消し、「お母さんは細かいことを気にしすぎです」と言った。

私はそれ以、卓で追及しなかった。代わりに翌、登記を担当してくれた司法士の事務所へ話し、般な続きについて確認した。所者本の確認が必であり、族が勝に名義を変えられるわけではないと説され、しだけ息がつけた。ただし相談の予約自体は誰にでもできる。私のらないところで何を準備しているのかは、まだ分からなかった。

そのの午、千鶴に話をかけた。「私、をることを考えているの。でも、逃げるだけで終わりにしたくない」。千鶴は「それなら、今ある類を理しておきなさい」と答えた。私は通帳の写し、支払った学費の領収、の登記報、族へ渡した援助の記録を封筒にまとめた。護師だったころ、問題が起きたらまず事実と刻を確かめるよう部に教えていたことをいした。

夕方、蓮斗が友を連れて帰ってきた。真理恵は私に「今夜はリビングを使うから、めにお部へ戻ってください」と告げた。私は夫の写真を棚の央に置き直し、「夜遅くまで騒がないことと、この写真に触らないことだけ守ってね」

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と伝えた。蓮斗は返事をせず、友たちを連れて階へがっていった。

私は相談メモの写真を、計ノートの記録と同じ所に保した。真理恵に問い詰められたときのためではなく、あとで自分の記憶を疑わなくて済むようにするためだった。病棟ではさな事実の積みねがきな判断を支える。庭の問題にも、だけでなく確かな記録が必なのだと、ようやくい至った。

夜半を過ぎたころ、い音楽と笑い声がを伝ってきた。私は度だけ廊へて、リビングの戸の隙からを見た。夫の写真は棚から消え、代わりに机のには酒の缶が置かれていた。さらに、その横に見覚えのあるがあった。贈与の相談メモを蓮斗が友に見せ、「もうすぐこの、父さんのものになるんだ」と得そうに話していたのである。

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