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"孫に「ここに居たければ黙れ」と言われた私が、翌朝家を出た理由" 第23話

私の朝ごはん

の終わりに、の売却が決まった。買いは学の子どもがいる夫婦で、庭の柚子のを気に入ってくれたという。産会社の担当者からその話を聞いたとき、私はしうれしくなった。あのは弘が植えたもので、毎になるとつだけ実を残していた。次にむ族にも、季節をらせるになってくれたらとった。

売却代の使いは、慌てて決めなかった。これからのまいと医療費、もし介護が必になったときの備えを考え、専にも相談しながら理した。孝太からは「母さんの財産なんだから、母さんが使って」とが届いた。以なら、そんなことは言わずに受け取って当然だとっていただろう。私はその変化をうれしくじたが、だからといってすぐに援助を再することはしなかった。

真理恵からも、もう通のが届いた。今度は居やおの話より先に、私が怖いいをしたことと、蓮斗に誤った考えを教えたことへの謝罪がかれていた。私はを読み、返事として「受け取りました。どうぞ皆さんもお体に気をつけて」とだけいた。親しく付きえるようになるかは、まだ分からない。それでも距を置いたまま、相の変化を認めることはできるとった。

孝太はときどき況をらせてくれるようになった。

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計を見直しても余裕はないが、暮らしはしずつ落ち着いているという。蓮斗は自分の部がないことに文句を言わなくなり、学では以より真面目に課題に取り組んでいるらしい。私はその報告を読んでしたが、成績やを細かく尋ねることはしなかった。あの子のは、あの子と両親が考えていくものだ。

私の毎は、以よりもさな予定で埋まるようになった。曜は域の健康相談会、曜は図館、れたは千鶴と川沿いを歩く。何も予定のないは、朝から好きな本を読み、気が向いたらくの喫茶でコーヒーをむ。歳になってから、何かを始めるのは遅いとっていた。けれど自分のを自分で使うだけで、毎はったより鮮だった。

ある朝、蓮斗からが届いた。「ばあちゃん、今度の曜、弁当をつ作って公園へきませんか。嫌なら断ってください」。私はわず笑った。昔の蓮斗なら「弁当作って」とだけ言っただろう。私は返事に「お気がよければきましょう。私はお茶を持っていきます」といた。無理をして会うのではなく、会いたいとったから会う。それだけのことが、今はありがたかった。

曜、蓮斗はし焦げた卵焼きと、さなハンバーグの入った弁当を持ってきた。

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公園のベンチで蓋をけると、ご飯が片側へ寄っていたが、以よりずっときれいに詰められていた。私は「になったわね」と言い、蓮斗は照れくさそうに笑った。べ終わったあと、で空の弁当箱を片づけ、くの川をしばらく眺めた。

帰宅して窓をけると、夕方のが部を通り抜けた。私は弘の写真に向かって「今は蓮斗がお弁当を作ってくれたのよ」と報告した。それから自分のためにお湯を沸かし、好きな湯みでお茶をんだ。の朝はし遅く起きて、焼きたてのパンをべようとった。誰かに命じられたわけではなく、私がそうしたいからだ。

あの夜、蓮斗は「ここに居たければ黙ってろ」と言った。私は黙ってをたが、黙ったまま自分のを諦めたわけではなかった。これからも孫を配するはあるだろうし、族との距に迷うもあるだろう。それでも朝起きて、今をどう過ごすかを自分で決められる。弘が残してくれた言葉のを、私はようやく々の暮らしのでり始めていた。

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