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"「少しくらい困ればいい」母をSAに置き去りにした夫の本当の狙い" 第1話

母を残してりした

「あなた、まだ母が戻っていないわ。止めて」

速の流線へ入った瞬、私は助席から夫の腕をつかんだ。部座席を振り返るまでもない。さっきまで母が抱えていたのバッグが、空いた席に残っている。歳の母・澄はがしく、膝も悪い。サービスエリアの洗面所まで歩けば、若いの倍はがかかる。

夫の雅はだけを見て、アクセルを緩めなかった。「分も待った。いつもを待たせて平気な顔をするだろ。しくらい困れば、次からくなる」その声には冗談の響きがなかった。制限速度の標識がろへ流れ、建物が防音壁の向こうへ消えていった。

「次ので戻って。携帯もバッグのなのよ」

「サービスエリアには係員がいる。子どもじゃないんだ、自分で何とかするさ」

列目に座る歳の息子・直哉も、「ばあちゃんのせいで昨から予定が全部遅れてる」と父に同調した。娘の紗季だけが青ざめ、スマートフォンで現を確認している。この泊の信州旅は、雅が母の気祝いとして提案したものだった。宿代の半分は母自が払い、子を借りず歩くと言った母を、雅は皆ので「まだ元気だ」と褒めていた。

私はハザードを点けようとしたが、雅は私のを払った。

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のからびりることはできない。百番へ話すると、雅は「げさにするな」と鳴り、直哉は母の携帯をバッグから取りした。源を切ろうとしたため、紗季が奪い返した。

「お兄ちゃん、何してるの。おばあちゃんが探して話するかもしれないでしょう」

「父さんが困るんだよ。警察汰になったら会社にもられる」

困るのは置きりにされた母ではなく、自分たちだと言っている。私は初めて、夫と息子が同じ方向を向き、私だけを邪魔者のように見ていることに気づいた。

警察は次のインターチェンジでり、全な所へするよう指示した。雅は従わず、さらに先へもうとした。すると紗季が、部座席からの緊急通報ボタンを押した。載スピーカーからオペレーターの声が流れ、雅はようやく肩ではなく次のパーキングエリアへ入った。

私は警察両に乗せてもらい、来たを戻った。分、元のサービスエリアへ着くと、母の姿はなかった。係員は、齢の女性が族を捜していたことは覚えていた。しかし分ほど話した、迎えに来たのワゴンへ自分から乗ったという。

防犯映像には、母を支えるの男が映っていた。雅の歳の兄で、私たちが会っていなかった義兄・達郎だった。

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係員によれば、母は最初、族が戻ると言ってベンチで待っていた。ところが館内放送を度頼んでも誰も来ず、自分の携帯がバッグに残っていることにも気づいた。母は泣き叫ばず、靴のから折り畳んだをし、公衆話の所を尋ねたという。そのに達郎の番号があった。

方、パーキングエリアで待たされた雅は、警察官へ私が取り乱していると説していた。母が見つからないと聞いても顔を変えず、「兄が連れしたなら誘拐ではないか」と先に達郎を疑った。そのさが自然だった。誰が迎えに来る能性があるか、夫は最初からっていたように見えた。

帰りの警察両で、私は母の空席ばかりいした。旅、母が歩くのを待つたび、雅は腕計を見た。私はそのたび「もうしくして」と母へ言い、夫には度も「待って」と言わなかった。置きりを実したのは雅だが、そのから母を急がせる空気に私も加わっていた。

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