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"「少しくらい困ればいい」母をSAに置き去りにした夫の本当の狙い" 第15話

退のの卓

婚調は度ではまとまらなかった。雅は宅売却を拒み、自分がみ続ける代わりに私へ額の解決を払う案をした。査定額より幅にく、持ちした百万円も考慮されていない。私は急いで終わらせず、成なら訴訟も辞さないと伝えた。

その頃、宅ローンの引落しが度遅れた。雅が入しなかったためである。私はて替えたが、次回以は双方が指定座へ同額を入れるを弁護士経由で取り付けた。払わなければ売却続きで利になるとり、雅は渋々応じた。

の内覧が始まると、雅はようやく現実を理解した。退職に暮らすとっていた斎へが入り、収納や当たりを確かめる。彼は私へ、今からでも母へ謝り、皆で元に戻れないかと持ちかけた。

最初の購入希望者は、雅が内覧にの欠点を並べたため辞退した。庭から、売却を図に妨げれば清算協議で問題にすると通すると、次から雅はち会わなくなった。組目の夫婦が購入を希望し、価格も双方が取った査定のでまとまった。

「元って、いつのこと?」

私が尋ねると、雅は答えられなかった。母からを受け取り始めるか、息子へ偽の記録をかせるか。それとも、私が夫の言葉を疑わず、族の満を丸く収めていた頃か。

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彼が戻りたいのは関係ではなく、自分が困らなかった状態だった。

売買契約が決まり、退の最の、私は卓で雅とになった。使った鍋も器も、必な物を話しって分けた。雅は、母の置きりは怖がらせるだけのつもりで、事故になるとはわなかったと言った。

「あなたは、事故にならなければ傷つけていいとっていたのよ」

私はそれ以責めなかった。雅は謝罪文をき、母へ渡してほしいと頼んだ。私は預かったが、読むかどうかは母が決めると伝えた。仲介者として内容を説したり、許すよう勧めたりはしない。

の売却代と共同財産の清算でが成し、婚届を提した。雅はコンサルティング会社への資損と産会社への返還分を自分の取り分から支払う。私には活を始められる程度の資と、分割が残った。華やかな逆転ではないが、老を誰かの嫌に預けずに済む数字だった。

退の、雅は玄関で「おは母親を選んだんだな」と言った。

その言葉には、妻なら最には夫を選ぶはずだという確信がまだ残っていた。私が母のの問題を見過ごし、子どもたちのためにを閉じれば、族の形だけは保てたかもしれない。けれど、それは誰かを族のへ押しし続けることでしか成りたない形だった。

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私は婚で勝者になったわけではない。暮らしたを失い、老資も当初の予定より減った。親戚の部とは疎になり、息子との会話も途切れた。それでも、損を避けるために正を黙認する活より、自分で引き受けた損失の方が軽かった。

私は首を振った。「母を選んで、あなたを捨てたんじゃない。あなたの言うことだけを信じる活をやめたの」

雅は鍵を産会社へ返し、段ボール箱をへ積んだ。紗季は見送りに来なかった。直哉も連絡を寄こさなかった。私は玄関先でをげず、罵りもせず、が角を曲がるまでっていた。

のへ戻ると、壁に族写真をした跡が角く残っていた。が嘘だったわけではない。子どもがまれたも、夫婦で笑った夜も確かにあった。しかし良い記憶があることを、今の加害を受け入れる理由にはしない。

翌朝、しい部で目を覚ますと、誰の朝も用する必がなかった。寂しさと堵が同にあった。私はそのどちらも否定せず、自分の分だけ噌汁を作り、勤務先へ向かった。

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