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"七通の退職届と八十件の着信" 第21話

自分で言いながら、私は自分が父の受け売りの言葉をにしているだけだと分かっていた。けれど、ホアンはその言葉を聞いて、ふっと肩の力を抜いたようだった。

「そうですね。先代社は、失敗することよりも、失敗をごまかして隠すことを番るでした」

ホアンはそう言って、再び測定のモニターへと向き直っていった。

翌朝過ぎ、のに丸井鋼材のトラックが滑り込んできた。

助席からりてきたのは、伊藤社本だった。

「材料を届けに来たよ。……ついでに、例の産栄さんの注文ってやつを、見せてもらおうとってね」

私は伊藤社を事務所に招き入れ、産栄計測から届いた最の注文の写しをデスクに広げた。伊藤社は老鏡をかけ、無言で類に目を通した。そして、事務所の窓からの様子をじっと眺めた。

では、号も軸マシニングセンタも軽な音をてて稼働しており、アンとフックが真剣な差しで作業に没していた。

「……なんだよ。ちゃんと派に回ってるじゃないか」

伊藤社は老鏡をし、く溜息をついた。

「悪かったよ、森さん。らん噂話を真に受けたわしが、馬鹿者だった。材料の支払いは、今まで通り末締めの翌払いでいい。現なんてらんよ」

「伊藤社……ありがとうございます!」

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々とをげる私に対し、伊藤社は照れくさそうにを掻いた。

「浩さんとはの付きいなんだ。うちが形渡りをしそうになって倒れかけた、材料代の支払いを半も黙って待ってくれたのが浩さんだった。その浩さんが塩にかけて育てげた職たちだ。こいつらを信じなくて、体誰を信じるんだって話だよな」

伊藤社はに向けて、アンの背に向かって力く片をげた。作業のを止めて気づいたアンが、嬉しそうに々とをげていた。

そして午。

約束のきっかりに、産栄計測の野品質保証課が、若い部の男性技術者を伴ってへやって来た。

「それでは、監査を始めさせていただきます」

事務所の会議テーブルに、野課は分い監査基準を置いた。

最初に、私が製造程変更申請の内容を説した。野課は折鋭い線を類にらせながら、厳格な質問を投げかけてきた。

「これまで川が担当されていた最終の荷寸法判定は、今どなたが担当されるのですか?」

「品質管理責任者のホアンが担当します。これまでの抜き取り検査から、恒温での次元測定による『全数検査』に切り替えます」

私が答えると、野課はホアンを見た。

「全数ですか? 膨な測定がかかりますよ」

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「はい」

ホアンは怯むことなく、澄んだ声で答えた。

「そのためのを確保していただくために、社にお願いして納期を延ばしていただきました」

「……なるほど」

野課は頷き、次の質問へ移った。

「退職された方々の代替として作業に当たる作業者の技能レベルは、社内で客観にどのように評価・認定されているのですか?」

私は待っていましたとばかりに、父が遺した『社内技能認定評価表』の原本と、アンの技能検定級格証の写しを差しした。

「アンは先、国資格の械加技能検定級に格いたしました。この産栄計測様の部品加につきましては、から先代社の指導のもと、単独作業の認定を受けております」

野課と部の男性は、類の完璧さに顔を見わせ、くタブレットで記録写真を撮した。

続いて、現の監査へと移った。

号ので、アンが自ら削りした特注治具の構造を説した。

「ワークを固定する際、この箇所のボルトをトルクレンチで均等に締め付けます。締め付ける順番を違えると、部品にコンマ数ミクロンの歪みが発します」

アンは実際に具をに取り、無駄のない流れるような所作で実演してみせた。同した若い技術者が、目を見張ってメモを取っていた。

パソコン部では、フックがCAMの画面をちげ、切削条件の履歴を展した。

「こちらが変更の条件、こちらが今回号用に最適化したしい条件です。

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