みかん小説
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"夫のいない四日間" 第9話

親友の墜落と夜の

庭裁判所での調が方にむ方で、浮気相である井裕子のもまた、目にも留まらぬ速度で崩壊の淵へと転がり落ちていた。

裕子が夫・輔(だいすけ)から即座に突きつけられたのは、弁護士同伴での協議婚と、自宅からの即退通告だった。

あの、沖縄旅の最に世田の自宅へ届いた、博之の私物が詰め込まれた数箱の段ボール。そのに添えられていた里美からの文のと、の密会現を克に記録した写真の束は、商社マンである輔のプライドを徹底にへし折るに分だった。

「おみたいな汚らわしい女、秒たりともこのに置いておくわけにはいかない」

輔は裕子の荷物をすべて格のゴミ袋に詰め込み、マンションの敷へ放りした。結婚に買い揃えた級具も、ブランド品のも、すべて「倫相に買ってもらった物か、俺ので買った物だ」として没収された。

頼みの綱だった実の両親へ泣きついたものの、事態はさらに悪化した。

裕子の父親は元のであり、世体と規律を何よりもんじる厳格な男だった。娘が親友の庭を破壊し、その夫と倫旅にかけたスキャンダルをった父親は、玄関先で座する裕子に対して髪を衝く勢いで鳴りつけた。

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「親友の恩を仇で返し、の庭を蹴にするような恥らずは、がの敷居を跨ぐ資格はない! 度と井の名を名乗るな! 顔も見たくない、今すぐ消えろ!」

母親も涙を流すばかりで、娘を庇おうとはしなかった。完全に勘当された裕子は、着の着のままで真のへと放りされたのだ。

裕子に科された負債は、あまりにもかった。

里美に対する貞為の慰謝料百万。そして、夫である輔に対する婚慰謝料および破綻責任の損害賠償百万。計百万円という途方もない負債が、代半から度も働いたことのない専業主婦の肩にのしかかった。

学代のやママ友に片っ端から話をかけて借を頼み込んだが、噂は瞬くに広がっていた。「あの、親友の旦を寝取って全部バレて追いされたらしいよ」というがSNSの裏アカウントで拡散され、誰として救いのを差し伸べる者はいなかった。

きるために、そして毎の返済期限に追われる恐怖から逃れるために、裕子が辿り着いたのは、関の方都にあるみ込みのキャバクラだった。

「いらっしゃいませー」

夜のネオンが滲む暗い歓楽。っぽいドレスにを包み、濃すぎる化粧で目のの隈を隠した裕子は、油臭いタバコの煙が充満するボックス席で、酔した客のグラスに物のウイスキーを注いでいた。

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かつて座のブティックで博之に買わせたあの万千円のバッグも、首元で輝いていたネックレスも、すでに質で束文で買い叩かれ、消えっていた。

入れのき届いていた爪はマニキュアが剥がれ、アルコールとストレスで肌は荒れ果てている。

「おい、姉ちゃん、もっと景気良くめよ! 暗い顔してちゃ酒がくなるだろ!」

客に卑た笑みで肩を抱き寄せられ、無理やりビールを喉へ流し込まれる。

トイレの鏡に映る自分の姿を見るたび、裕子の胸の奥底から激しい嘔吐がせりがってきた。

(なんで……なんで私が、こんなところでこんな目に遭わなきゃいけないの……?)

かつて、里美を見していた記憶が蘇る。

いつも自宅にこもってなを着て、必にキーボードを叩いて原稿をいていた里美。そんな里美の夫を自分ので奪い、妻の稼いだで贅沢をさせてもらうことに、歪んだ全能を覚えていた。

しかし、現実はどうだったか。

里美は自分の才能と努力で何千万もの富をみす本物の者であり、博之はの褌でしか相撲を取れない空っぽの寄虫だったのだ。

「自業自得よ……」

便器に突っ伏して胃液を吐きしながら、裕子はたいタイルのに爪をてた。

誰からもされず、誰からも顧みられず、夜の底で搾取され続ける々。

それが、の庭と尊厳を踏みにじった女が支払うべき、果てしない代償だった。

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