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"毒蛇から社長を救った男を笑った人事部長" 第18話

シワの寄った面には、私が歩んできた30の軌跡が静かに刻まれていた。

防学での厳しい訓練。

京学学部での昼夜を問わぬ研究の々。

そして陸自隊の特殊作戦群で幹部として過ごした10の歳である。

郷田はそれを筋肉バカの経歴詐称だと嘲笑った。

初対面のを虫ケラのように見し、が流した汗と努力を平然と踏みにじった。

あの瞬、もし私がに任せて反撃にていれば事態はどうなっていたであろうか。

力でねじ伏せることなど、自隊の特殊訓練を積んだ私にとって造作もないことであった。

しかしそれでは、単なる個の鬱憤らしに過ぎない。

郷田のような悪党はそのを取り繕って証拠を隠蔽し、罪を部になすりつけたはずだ。

現で真面目に働く社員たちや、孤して戦う美咲社が救われることもなかった。

私が沈黙を守り屈辱をみ込んだのは、さからではない。

病巣を根こそぎえぐりし、度と悪が芽吹かないようにするための、極めて徹な作戦であった。

自隊の幹部として、私は数えきれないほどの傷と命に向きってきた。

当の教官が私に繰り返し語りかけてくれた言葉が、今も胸の奥に鮮烈に残っている。

『員は決してでメスを握るな』

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『どんなに過酷な現であっても、徹な観察と正確な判断だけが真にを救うのだ』

その教えは今も私のき方の根幹に息づいていた。

私は腕の袖をまくった。

首に残る字の古傷を静かに撫でた。

2の奥摩ので、毒蛇のに倒れた美咲を救ったあの。

あのも恐怖や揺を完全に排し、ただ静に命を繋ぐための処置に徹した。

の命と尊厳を守るために捧げてきたを、私は誇りにっていた。

その誇りがあるからこそ、浅ましい嘲笑に私のが揺らぐことはなかった。

私はシワの寄った履歴を丁寧に折りたたんだ。

着の内ポケットへと静かに納めた。

この1枚のこそが、の決戦において悪党たちの傲を砕する最もい弾劾状となるはずであった。

翌朝、曜の午915分。

本のは澄み切った初の陽に照らされて、活気に満ちていた。

私は質素なリクルートスーツにを包んだ。

アークイノベーションの本社タワービルのにった。

首元には、神グループ最総帥の分を証するものは切につけていなかった。

見は先週の曜と同じ、職を求める1の素朴な元自官の姿そのものであった。

エントランスのロビーにを踏み入れた。

社員たちの様子にらかな変化がじていた。

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壁面に設置された型モニターには、社内配信の映像が映しされていた。

これは美咲社による、全社方針会の継であった。

郷田が妨害を図った配信回線は、監査班のにより完璧に維持されていた。

画面のの美咲社は、紺のスーツを端正に着こなしていた。

凛とした声で社員たちに語りかけていた。

「が社はこれまで、技術と誠実さを武器に社会へ貢献してまいりました」

美咲社は現状の危を訴えた。

「しかし、現事部の部による透な採用活が、組織の信頼を根底から揺るがしています」

美咲社は決を表した。

「私は代表取締役として、この正を決して見過ごしません」

美咲社は力く宣言した。

「全ての膿をし切り、真面目に働く者が報われる会社を必ず取り戻します」

画面越しの彼女の覚悟に、ロビーの社員たちから息を呑む気配が広がっていた。

美咲社は自らの位を懸けて、正面から巨な正にち向かっていた。

その戦いを、もうこれ以1で背負わせるわけにはいかない。

私は静かに線を巡らせた。

通用の付には、通を装った私捜査員たちが配置についていた。

の駐には、警庁の指揮がすでに音もなく滑り込んでいた。

計の針は午945分を指していた。

私は迷いのない取りで、役員フロアへと直通するエレベーターへと乗り込んだ。

昇する密閉空ので、私はく呼吸をえた。

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