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"毒蛇から社長を救った男を笑った人事部長" 第22話

わになっていた私の腕の首くには、皮膚にく刻まれた字の古傷があった。

2の奥摩ので、毒蛇の傷を切し毒を吸いした際に残った術痕であった。

特殊作戦群の幹部として、自らの首を傷つけながら救命処置を施した証であった。

その字の傷を透した瞬、美咲社の全が激しく震えた。

から抱えていたファイルの束が滑り落ちた。

い類がバサバサと面に散らばった。

「ああ……」

美咲社の喉から、声にならない細い息が漏れした。

その瞳から粒の涙がボロボロと溢れした。

郷田はその涙のを都よく解釈した。

郷田は背から鳴り声をあげた。

私に向かって勝ち誇ったように叫んだ。

「ほら見ろ。社がおの無礼に激し、あまりのショックに涙を流しておられるではないか」

郷田は健太に命令した。

「おい健太、何を突っっているんだ。この男を袋叩きにして、今すぐビルから叩きせ」

健太がニヤニヤと嘲笑を浮かべた。

私の肩にを伸ばそうと踏みした。

の警備員も私を取り押さえようと、歩幅をめて迫ってきた。

彼らは自分たちの勝利を確信していた。

邪魔な元自官を排除し、社ので自らの権力を誇示できると信じていた。

しかし、次の瞬に起きた景は、そのにいた者たちの認識を根底から砕した。

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ドサッという激しい音が、静まり返った内に響き渡った。

美咲社はスーツが汚れることも厭わず、に激しく両膝を叩きつけた。

そして私の元に向かって、額をに擦りつけるように平伏した。

「社」

健太の伸ばしたが空で凍りついたように止まった。

郷田の顎がれそうになり、目玉が見かれた。

取締役たちも警備員たちも、息を呑んでその景を凝した。

企業の代表取締役社が、1の求職者の元にひれ伏していたのである。

「恩様」

静まり返った特別面接に、美咲社の叫びが霊した。

に額を押し当てたまま、彼女の背が激しく波打っていた。

「違いありません。あのの自官様ですね」

美咲社は顔をげた。

涙で濡れた瞳で私を見げた。

その頬を、い涙が止めどなく濡らしていた。

「2の8、奥摩のいので、毒蛇に噛まれて倒れていた私を助けてくださった」

美咲社は涙声で続けた。

「呼吸が止まりかけていた私を、命懸けで救ってくださったのはあなた様ですね」

美咲社の声は震えながらも、確かな真実を紡ぎしていた。

「あの字の傷跡と……毒を吸いし、命を繋いでくださったのお傷です」

美咲社は私を見つめた。

「救急ヘリが到着した瞬、名も告げずにられたあのの自官様です」

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美咲社は胸の内をかした。

「私、2、片も忘れたことはありませんでした。ずっと、ずっと探しておりました」

部の空気が、絶対零度まで急速に凍りついた。

郷田の顔から血の気が完全に引いた。

唇が刻みに震え始めた。

「お、恩……?」

郷田の喉から、枯れたような抜けな声が漏れた。

「な、何をおっしゃっているのですか、美咲社」

郷田は混乱しながら言葉を紡いだ。

「こいつは職にあぶれた元自官で、筋肉バカの詐欺師ですよ」

郷田は信じられないというように首を振った。

「そんな嘘つきに、なぜ社が座などされるのですか」

美咲社は郷田の言葉などに入らぬかのようであった。

震えるで胸元へを伸ばした。

ブラウスの襟元から、の細いチェーンを引きした。

その先端には、あの奥摩のむらに落ちていたチタン製の認識票があった。

美咲社は両でその属片を捧げ持った。

私に向かってく掲げた。

「残されていたこの認識票を、私は肌さずにつけてまいりました」

美咲社は宣言した。

「そして、裏面に刻まれていたあの紋のを私はったのです」

美咲社の瞳にい性のが満ちていった。

私は元に跪く彼女を静かに見ろした。

く息を吐きした。

私は静かにをいた。

「美咲社」

私の落ち着き払った声が、静寂の支配する密に凛と響いた。

「お体の毒も完全に抜け、こうして健やかにお過ごしのご様子。

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