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"出世ゴルフの朝、沈黙した妻" 第5話

添付された印鑑証のコピーを見つめる。それは、、俊介が「自の任保険の更続で必だから」と言って真から預かり、そのまま返却を引き延ばしていた実印の印だった。俊介は真の実印を無断で流用し、妻を名目の代表者に仕てげたペーパーカンパニーを裏で設していたのだ。 そして、その「エヌ・ソリューションズ」の法座の取引細が、さらに恐るべき真実を物語っていた。 栄管財などの請け業者から振り込まれた裏は、旦このエヌ・ソリューションズの座を経由して洗浄され、そこから俊介の私用座、さらには橘専務のが経営する座の級クラブの売掛決済座へと流れていた。

真の呼吸が浅くなった。 俊介は、自らの社内世のために専務への違法な接待資を捻していただけではない。 万が、税務署の査察や社内の内部監査によってこの裏ルートが見した、すべての法責任と脱税、横領の罪を、代表取締役である「妻の野真」に被せるための完璧な代わり構造を構築していたのだ。 『おが実のを売ってを寄越せば、すべて丸く収まるんだよ』――昨夜の俊介の言葉が、の奥で悍ましく霊した。 俊介は、栄管財との癒着関係が来期の監査で調査対象になりかけていることを察し、穴埋めの資として、真の実の遺産である千万円をエヌ・ソリューションズの座に突っ込み、帳簿を偽装して逃げ切る算段だったのだ。

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真はゆっくりと目を閉じ、く息を吸い込んだ。 恐怖はなかった。むしろ、の結婚活のなかで胸の奥にくすぶり続けていたが、瞬にしてれ渡ったような徹な覚悟が全を満たしていった。

「そこまでして、私を代わりにするつもりだったのね、俊介さん」

真はデスクのに置かれた俊介のデスクトップパソコンに目を留めた。 俊介はパスワード管理に無頓着で、かつて真に「社内ポータルにログインできないから設定を見てくれ」と頼んだ際のメモが、モニターの裏に貼り付けられたままだった。 真は源を入れ、俊介のアカウントにログインした。 デスクトップの片隅にある付けハードディスクのアイコンをクリックし、エクスプローラーをく。フォルダの階層を辿ると、そこには裏管理用の裏帳簿データ、請け業者の担当者との々しいメールの送受信ログ、そして俊介が橘専務に宛てて作成した社内クーデター用の密報告の案が、然と保されていた。

真はバッグから品のUSBメモリを取りした。端子をポートに差し込み、関連するすべてのファイル――通帳のスキャンデータ、契約、メールログ、会計データを、無言のまま速でコピーしていった。 プログレスバーが百パーセントに達したのを確認し、USBメモリを抜く。

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真はスマートフォンのカメラを起し、机のに広げた実印の偽造類、通帳の原本、バインダーの全ページを、付と刻が鮮に写り込むように枚ずつ撮していった。

作業を終え、すべての類を引きしの元の位置へと寸分の狂いもなく戻したとき、真のスマートフォンが激しく振した。 画面に表示された名は、「原律子」。 真の学代のゼミの先輩であり、現は法律事務所で企業法務と民事紛争の双方を第線で掛ける、屈指の敏腕弁護士だった。

真は通話ボタンを押した。 「もしもし、律子先輩」

『真? 丈夫だった? 朝イチのメッセージ見たわよ。“今朝、引きを引いた”って……まさか、本当にあの男を放置したの?』 受話器の向こうから、律子の鋭くも気遣いに満ちたの声が届いた。

「ええ。ゴルフコンペの起予定から半、言も声をかけずに見送ったわ。『話しかけるな』という彼の厳格な命令を、忠実に守り通したの」

律子が話でく吹きす音がした。 『痛ね。あの男、今頃血相を変えて関を爆してるんじゃない? でも、真、本番はこれからよ。あなたが先週相談してくれた、あの自然な資の流れと実のの件……何かしい証拠は見つかった?』

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