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"出世ゴルフの朝、沈黙した妻" 第10話

俊介の顔から、完全に血の気が引いた。赤黒く気していた肌が、瞬にして気へと変わる。 「な……ななな、なんのことだか……さっぱり……! 俺はらない! 何かの違いだ!」

「違いではないわ、俊介さん」 真が静かにをいた。その声は、内の空気を切り裂くように澄んでいた。 「あなたの斎のデスク最段の引きし。そこに保管されていた通帳、エヌ・ソリューションズの設登記類、実印の偽造類、そしてあなたのパソコンに残されていた裏帳簿データ。すべて私が保全し、会社と警察、そして私の代理弁護士に提しました」

「て、てめええぇぇぇっっ!!」 俊介は絶叫し、真に向かって殴りかかろうと腕を振りげた。 「裏切ったな!! 棒猫が!! 俺の類を勝に盗みしやがって!!」 だが、俊介の腕が真に届くことはなかった。 背に控えていた柄な調査員名が瞬に俊介の両腕をねじげ、リビングの壁へと組み伏せたのだ。 「ぐわっ……! せ! せよ!!」

律子弁護士がちがり、無慈な宣告を俊介の目のに突きつけた。 「野俊介氏。私は野真さんの代理弁護士です。本付で、あなたに対する婚請求調の申て、貞およびモラハラ為に対する慰謝料千万円の請求、ならびに私文偽造、背任罪、恐未遂罪に関する刑事告発状を京方検察庁および警庁世田警察署へ提いたしました」

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「け、刑事告発……!? 婚……!?」 俊介は壁に押し付けられたまま、信じられないものを見るように目を剥いた。 「嘘だろ……真! お、俺を刑務所に送る気か!? 夫を警察に突きす妻がどこにいるんだよ!!」

「あなた自が、私を刑務所に送ろうとしていたのではないですか」 真はちがり、組み伏せられた夫をたく見ろした。 「エヌ・ソリューションズの代表取締役に私の名を使い、裏の受け皿にして、税務調査が入ればすべての罪を私に被せて切り捨てるつもりだった。昨夜も、実のを奪って裏の補填に使おうとした。違いますか?」

俊介は息を詰まらせ、言葉を失った。目玉がに激しく泳ぎ、額からポタポタとや汗がに落ちていく。

「あなたは昨夜、私に言いましたね。『話しかけるな。話しかけたらそので婚だ』と」 真の瞳には、りすら残っていなかった。あるのは、完全な拒絶と軽蔑だけだった。 「ですから、私はあなたに話しかけるのを輪際、やめることにしたのです。妻としての言葉も、けも、慈も、すべて終わりです。これからは、法と正義の言葉だけでお話しいたしましょう」

神崎が々しく宣告した。 「野。本付で貴様を懲戒休職とし、社内へのち入りを切禁ずる。の臨取締役会において、懲戒解雇処分、ならびに会社が被った損害賠償請求の提訴が決議される。

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橘専務も、貴様からの正な利益供与を認め、辞任届を提する筈だ。貴様の守ろうとした世も、も、も、すべて燼に帰したとれ」

「ああぁぁぁ……あ、あああぁぁぁっ……!」 俊介のから、もはや言葉にならない絶望の呻き声が漏れた。 壁にしがみつきながら、崩れ落ちるようににへたり込む。 かつて庭内で絶対君主として君臨し、妻を蹴にし、を見し続けていた傲な男の姿は、そこには微も残っていなかった。ただ、自らの欲望と浅恵がみした底なしの沼に呑み込まれ、もがき苦しむれな罪の姿があるだけだった。

その、リビングの固定話がけたたましく鳴り響いた。 留守番話サービスに切り替わると、スピーカーから再び義母・澄のヒステリックな声が響き渡った。 『もしもし!? 俊介!? あんた今どこにいるの!? さっき警察がに来たのよ! なんなのこれ!? あんたが会社のを横領したとか、詐欺の疑いがあるとか言われて……! ちょっと、どうなってるのよ俊介ぇぇぇっ!!』

俊介はを塞ぎ、フローリングのに額を擦り付けてガタガサと震え始めた。 その姿を瞥した真は、元のバッグを肩にかけると、度も振り返ることなく玄関へと向かった。 「神崎、律子先輩。あとは法続きに従って、すべてめてください」

「ええ、任せて」

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