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"奪われた手柄と残された受領印" 第8話

「この予約表だよ。厨で作るが焼きがりに丸をつけて渡したら、私が確認の線を引く。でも、朝はレジにお客さんが並んでがせなくてね」

厨の入りからレジカウンターを見ると、作業台のになってレジの画面は全く見えなかった。

主はを洗うたびに、濡れた指先での伝票を何度も押さえ直していた。

俺は横につ椎名へ声で提案した。

「画面をつにまとめるより、厨と売りでそれぞれ個別に状況を確認できた方が良さそうです。文字ももっときくして、完ボタンの役割も分けた方がいい」

椎名が帳にペンをらせながら頷いた。

「完ボタンは、厨の準備完と、レジの受け渡し完で確に分けますか?」

俺は主の元を見つめながら答えた。

「はい。ただ、ボタンを押す回数が増えると現で押し忘れるリスクがあるので、実際の線を見せてもらってから配置を決めたいです」

主が目を見張り、嬉しそうに顔をほころばせた。

「そんな細かいきまで、緒に考えてもらえるんだね。い械を売りつけられるだけかとっていたよ」

俺は首を横に振った。

「番忙しい帯に、余計な仕事が増えてしまうようなものは作りたくありませんから。まずは週、普段通りのきを見せていただけますか? 販売のシステムを止めたりはしません。

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別のテスト端末で確かめますので」

主は破顔し、焼きがったばかりの温かいパンをつ、袋に入れて差ししてくれた。

をると、椎名がその袋を両で俺のへ差ししてきた。

「牧野さん。今朝、朝ご飯を抜いていませんよね?」

俺はし驚きながら答えた。

「今は、ちゃんとべてきました」

「よかった。じゃあ、これはお昼用です。お仕事の成果に対する報酬ではなく、おの方のごですからね」

俺はわず苦笑いを漏らした。

「そこまで丁寧に置きされなくても、分かりますよ」

椎名は歩きながら、いたずらっぽく微笑んだ。

「まだしだけ、あなたのことが配なんです」

俺は初めて、彼女に対して自然に冗談混じりの言葉を返すことができた。

駅へ向かうすがら、椎名はどこか楽しそうに、弾むような取りで隣を歩いていた。

その頃、元の会社では、社内報告に向けたテストが暗礁に乗りげていた。

画面を凝していた霞が、声を尖らせた。

「待って。さっきまで件あったはずなのに、件しか表示されていないわよ。もう片方の舗の注文はどこへったの?」

成瀬が焦りながらキーボードを叩いた。

「入力のタイミングの問題ですよ。テスト用のデータが古いんじゃないですか?」

榊原課が腕を組み、淡に言い放った。

「の役員報告だ。

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成功した画面のキャプチャだけを綺麗に切り取って資料に載せておけ」

霞がそうに眉を寄せた。

「でも、もし本番の環境で同じ現象が起きたら……」

成瀬は苛たしげに髪をかきむしった。

「本番用にデータをえれば丈夫なんですよ! こういう細かい例処理を、牧野さんが勝に裏でごちゃごちゃやってたから、仕様が分かりにくくなってたんですよ」

霞がごもる。

「……友に、度聞いてみる?」

課がした。

「辞めたを呼びせば、今度はこちらがをげることになるだろうが。そんな必は微もない」

成瀬が画面の数値を作業でき換えた。

「注文番号を、テストのだけ別の複しない数字に変えればいいんです。ほら、これで綺麗に全件表示されましたよ」

異なる舗で注文番号が複するという根本な具の種は、何つ修正されていなかった。

彼らはバグの原因を直すのではなく、テストデータの数値を都よく改ざんしただけだった。

翌の役員会報告には、美しくえられた正常作の画面だけが添付された。

課が判子を押し、類を閉じる。

「よし、社内確認は完だ。このままめろ」

俺が残した幾もの注事項の隣に、杜撰な検証で済ませたという虚偽の記録が、着実に積みねられていった。

椎名のオフィスでの試作発は、驚くほど順調にんでいた。

実際に使う主の笑顔や、忙しそうにくのひらをい浮かべながらコードをく仕事は、純粋に楽しかった。

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