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"奪われた手柄と残された受領印" 第17話

「その言葉は、今あなたに信頼して仕事を任せているの言葉ではありませんよ。私はあなたに、改善のための相談をしています」

椎名はき終えたメモの番の項目に、赤ペンでキュッと丸をつけた。

「今の作業は、ここまでです。残りのつは、のにお願いしましょう」

俺は目を瞬かせた。

「……の、ですか?」

椎名はペンを置き、悪戯っぽく笑った。

「はい。も私が、あなたの隣にいる予定ですから」

その言葉を聞いた瞬、張っていた両肩の力がすうっと抜け落ちていくのをじた。

帰りのので、俺はい堵から居眠りをしてしまいそうになった。

椎名は起こそうとせず、俺がりる駅の直に、コートの袖を指先でそっと引いて教えてくれた。

数、元の会社の顧問弁護士と事責任者を交えた、事実確認の調査のが設けられた。

会議のテーブルを挟んで、榊原課と成瀬が落ち着かない様子で座っている。

調査官が鏡の位置を直し、元の類をめくった。

「本は、牧野氏の退職に何が引き渡され、そのに社内で何が変更されたのかを客観なデータに基づいて確認します。会社側から提されたログの記録です」

俺は持参したクリアファイルをいた。

「僕が持参したのは、退職の原本と、総務担当者の受領印がある引き継ぎ覧の控えです」

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調査官が画面の図面を指差した。

「舗番号と注文番号を複して複を防ぐ処理は、退職の点で組み込まれていましたか?」

「はい。引き渡した定版のプログラムに含まれております。全舗での実検証と、旧データの移順については、未完の課題として覧に記載し、注を促しました」

調査官が課へ鋭い線を向けた。

「その注事項について、どなたに説をいましたか?」

俺は淀みなく答えた。

「榊原課と、成瀬さんです。説のには、総務の担当者も同席していました」

総務の記録簿と、俺の元の控えの付と署名が、寸分の狂いもなく致していた。

『引き継ぎを受けていない』という課の苦しい主張は、自らが署名した受領ので完全に破綻した。

調査官がさらに追及のを緩めない。

「牧野氏の退職から、全確認の処理を丸ごと削除するコードの変更がわれています。変更者は成瀬氏、承認者は榊原課となっていますね。牧野氏のアクセス権限は、そのに完全に止されています」

俺は静かに告げた。

「僕は、その変更に切関与しておりません」

調査官は頷いた。

「ええ、アクセスログの性からも、それはです。また、発表会のに社内で発した具の報告と、それを揉み消して発表をした承認決済も残されています」

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成瀬が青ざめて言い訳をった。

「あ、あれは現の担当者の判断が拙速だっただけで……俺が詳しい内容を聞いたのは、ずっとで……!」

調査官は徹に言い放った。

「では、あなたがその承認ボタンを押した点で、具体にどのコードの内容を確認されたのですか? 確認していなかったのであれば、その理由を述べてください」

課や成瀬の言い訳を、俺が代わりに考えてやる必などどこにもなかった。

俺の言葉ではなく、彼ら自が私利私欲のために残したデジタルの記録が、彼ら自を追い詰めていた。

調査官が類を閉じ、俺に向かって礼した。

「牧野氏への確認は以となります。今の連絡は本調査に必な範囲に限定し、システムの修復や顧客への損害賠償については、現職の責任者とめます」

俺は礼して席をった。

俺は誰かを陥れるための資料など、何つ作っていなかった。

自分がやった仕事と、やらなかった仕事の境界線を曖昧にせず、誠実に記録を残した。

その当たりの積みねが、初めて俺自のを守る固な盾となってくれたのだ。

数の夕方、共同創業者の男性がい取りでオフィスへ戻ってきた。

「投資の件、今回は見送りになった。をかけて着実に作るという方針は、向こうの急速な回収スケジュールにはわないそうだ」

椎名は静かに類を受け取った。

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