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"奪われた手柄と残された受領印" 第18話

「わかりました。予定していた投資資は入らないものとして、事業計画を組み直します」

共同創業者は励ますように笑った。

「今の支払いは元の資で確保できている。規模な受託発の相談も件入っているから、今に分けしてめよう」

彼が席をした、椎名はめきったお茶のカップを持ちげようとして、指先をさく震わせた。

カップがカタリと乾いた音をてる。

俺はちがり、彼女のデスクの横へ歩み寄った。

「椎名さん、し座ってお茶をみませんか?」

椎名は無理に元を引き締めた。

「……丈夫です。最初から分かっていたことですから」

「分かっていても、悔しいものは悔しいですよ」

椎名は俯き、膝ので握りしめた拳を震わせた。

「牧野さんに来ていただいたばかりなのに……約束を守れる会社にしたくて、焦っていたつもりはなかったんです」

俺は彼女の横の子を引き、腰をろした。

「今の支払いと仕事の分担は、チーム全員で確認しましょう。それとは別に、今は『悔しかった』と声にして言ってもいいといます」

椎名の瞳から、堪えきれなくなった涙が筋零れ落ちた。

「……悔しいです。あの方たちの判断が違っているわけじゃないんです。ただ、私たちが本当に作りたい現のためのシステムと、向こうの軸がわなかっただけなのに……」

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彼女は両で顔を覆った。

「では理解しているのに、選ばれなかったという事実だけが、胸のにずっと残ってしまって……」

俺はすべてがくいくなどという無責任な気休めは言わなかった。

その代わりに、彼女が今零している悔し涙を、途で話を遮ることなく最まで受け止めた。

「今は、悔しい気持ちのまま帰ってもいいんじゃないでしょうか。また、緒に考えましょう」

椎名は顔をげ、涙を拭いながらさく微笑んだ。

「それ……私がに言った言葉ですね」

「すごく助けられた言葉だったので、ずっと覚えていました」

椎名は目を赤くしながら、俺の顔を見つめた。

「牧野さんは、のことを本当によく覚えていますよね。の同会議のも、パンさんの困った顔を覚えていらっしゃいましたし」

俺は彼女の澄んだ瞳を見つめ返した。

「椎名さんのことも、もっとりたいとっています」

椎名のきが止まった。

「……お仕事のためですか?」

「仕事以のにも、緒にいたいからです」

椎名の指先がピクリと止まった。

彼女はしだけ照れたように笑い、それから笑うのを諦めたように、静かに目を伏せた。

俺はそっとを伸ばし、彼女のの甲に触れていいかを線で確かめた。

椎名はさく頷き、彼女の方から俺の指先をぎゅっと握り返してくれた。

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改良を施したしいシステムを携え、俺たちは再びベーカリーの現にっていた。

主が焼きがったパンの袋を棚に置き、厨用の画面をタップする。

「袋ができたら、こっちを押す。これで、売りのレジ画面には『準備完』として残るんだね?」

俺は笑顔で頷いた。

「はい。売りでお客様に商品を実際にお渡ししてから、レジ側の画面で確認ボタンを押してください」

「よし、分かったよ! ……あ、話だ。ちょっと待ってておくれ」

主がりでレジの奥の固定話へと向かった。

作業台に残された画面には、先ほど途まで処理した注文が、そのまま分かりやすく表示され続けている。

話を終えて戻ってきた主は、画面を見るなり声をげた。

「ああ、ここからだったね! これなら、途で急な話や来客があっても、どこまで作業がんでいたかが目で分かるよ」

椎名が嬉しそうに俺の顔を見げた。

「作業が断しても、迷わずに続きを再できましたね」

「はい。以の設計では、この『作業の断』という現のリアルなきが見えていませんでした」

舗目の実証実験でも、全く同じ確実な成果が得られた。

舗ごとに異なる棚の位置や、スタッフの呼び方の違い。

それぞれの現にわせて必な調を施すことで、システムは確実に現の呼吸に馴染んでいった。

「次のおへ導入を広げるも、最初は必ず現を見にきましょう」

椎名がノートを閉じながら言った。

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