みかん小説
本棚

"奪われた手柄と残された受領印" 第19話

「画面のデータを送るだけでは、決して分からないことがありますから」

俺も力く頷いた。

「僕も緒にきたいです。現のきを、勝に全部同じだと決めつけないように」

その、の入りの自ドアがき、さな男の子を連れた母親が入ってきた。

主がレジ画面を瞥し、棚から迷うことなくつの袋をに取って渡す。

「お待ちさま! 予約のクリームパン、焼きたてだよ」

男の子が歓声をげ、袋を胸いっぱいに抱きしめた。

主はスムーズに会計を終え、いつもよりずっとい取りで奥の厨へと戻っていった。

慌てて作業を止めたり、注文伝票を探して往往したりする無駄なきが、のから完全に消えっていた。

主がカウンター越しに俺たちへをげた。

「おにお願いして、本当によかったよ。私たちが困っている所を、緒になって見てくれたからね」

俺はくをげた。

「ありがとうございます。またしでも使いにくい点があれば、慮なく教えてください」

椎名も笑顔で類をえた。

「今回のテスト結果をしっかりとまとめます。本格な運用の継続については、そのに改めてご相談させてくださいね」

事務所へ戻る帰り、椎名がいつもよりしだけ俺のくへと歩み寄ってきた。

信号待ちの交差点で、触れうの肩から確かな温もりが伝わってくる。

広告

「……よかったですね、牧野さん」

「まだ、直すべき細かい箇所はたくさんありますよ」

椎名は首を横に振った。

「ええ。それでも、今現の方にんでいただけた事実を、今は胸を張ってんでいいといます」

俺は彼女の横顔を見つめた。

「本当によかったです。椎名さんと緒に、このシステムを作ることができて」

椎名は言葉を探すように俺を見げ、それから両でバッグを抱え直した。

何かを言いかけた彼女の唇が、柔らかな満面の笑顔へと変わった。

そして、週の域産業展示会の当。

俺たちはさなブースの壇にち、集まった来者たちへ向けてプレゼンテーションをっていた。

「本は、つの個舗で実際に試験導入をいました、予約商品の受け渡し管理システムをご紹介いたします」

俺は元の操作端末を持ちげ、画面をスクリーンに投した。

「能を無駄に増やすに、現の最も忙しい帯でも、スタッフが迷わずに操作を継続できるかを徹底に検証いたしました」

俺はあえて、最初の失敗した画面のキャプチャをスクリーンに映しした。

会のあちこちから、さなどよめきが起こる。

「最初の実証実験では、厨で準備を終えたつもりの操作が、システムで『受け渡し完』として誤認されてしまうという設計ミスが発しました」

広告

会の空気が張り詰めたが、話を遮る者はいなかった。

「画面のを変えるだけでは、現の作業の違いを正しく伝えることはできませんでした。そこで私たちは、使う所と、画面に表示する言葉を根本から分いたしました」

俺は改良の画面を提示した。

「厨の端末には準備の覧だけを表示し、商品の袋を棚に置くきに連させます。商品は売りの覧に残り続け、実際にお客様へお渡しした瞬に、レジ側の端末で『お渡し済み』ボタンを押して完させます」

会の方から、控えめにががった。

見学に来てくれていたベーカリーの主だった。

「あの、実際にテストに参加したの者です。難しいITの理屈は分かりませんがね、話で作業が途切れても、どこまでやったかがすぐに分かるようになって、本当に助かっているんですよ」

主は今、この発表のためにわざわざの仕込みをく終わらせて駆けつけてくれたのだ。

実演のでは、来者自に端末を触ってもらい、わざと途で話しかけて操作を断してもらった。

それでも、誰もが迷うことなく元の作業へと復帰することができた。

発表が終わると、数の来者が主の周りに集まって現のを聞き、そので俺たちのブースへと相談に訪れた。

いきなり何千万円もの型契約が決まったわけではない。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: