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"奪われた手柄と残された受領印" 第20話

だが、実際にこのシステムを使って自分のを良くしたいと願う々の、真剣な顔がそこにあった。

「実証実験の相談が、しく件入りましたね」

共同創業者がスケジュール帳を叩いて破顔した。

「予定を調して、丁寧にお返事をそう。今できる範囲から、着実に増やしていけそうだ」

椎名が汗を拭いながら俺の隣に並んだ。

「度にすべてを請けいはしません。お疲れ様でした、牧野さん。ご自のお名での発表、いかがでしたか?」

俺は胸元につけた名札を指先でなぞった。

「資料に自分の名がいてあるのが、ずっと気になって落ち着きませんでした」

椎名はクスリと笑った。

「あなたが作ったものなんですから、当たりです。く慣れてください」

「……椎名さんの名の隣に並んでいたのが、何より嬉しかったです」

椎名は資料の端をぎゅっと押さえ、顔を真っ赤にして俯いた。

ではまだく照れを隠せないらしいその横顔を、俺はずっと見ていたいとった。

片付けを始めた頃、展示会の受付スタッフから声がかかった。

「牧野さん、以の会社の方々が、しお話ししたいとロビーでお待ちですが……」

総務を通じて事に申し入れがあった、正式な最の面会のだった。

ロビーのソファ席へくと、そこにはやつれきった顔の榊原課、成瀬、そして霞のが座っていた。

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課がちがり、無理に作った笑顔でを差ししてきた。

「牧野、を取ってくれてありがとう。先の件は……こちらの説だった。改めて、正式に相談に乗ってほしいんだ」

俺は差しされたを取らず、直したまま静に返した。

「システムの正常な作に必な技術報であれば、すでに面で提済みです。本は、どのようなご用件でしょうか?」

課は脂汗をハンカチで拭いながら、すがるような声を絞りした。

「取引先から、本導入の見送りが正式に通告されたんだ。舗での試験のやり直しと、発表延期に伴う莫な損害費用の請求も始まっている。おが戻ってきてくれれば、すべてをて直せるんだ!」

成瀬も膝のに置いたを震わせ、必にをげた。

「牧野さんの元の設計に戻せば、絶対に直ります! 設計資料はすべて社内に残っているんですから、どうか緒に……!」

俺は徹に言い放った。

「資料がすべて残っているのであれば、社内の担当者の方々で精査してめてください。僕が現に戻る理由にはなりません」

榊原課がを乗りし、必に好条件を並べてた。

「待遇は希望通りにする! 次回の発表者もおに変更するし、社内への根回しも私が全責任を持ってう! それなら文句はないだろう!?」

俺は静かに首を横に振った。

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「僕が退職した、確認や検証をう仕事は『裏方のな作業』だと切り捨てられました。今その作業が必だと分かったのであれば、それに相応しい員とを、会社として正当に用してください」

その、沈黙を守っていた霞が、涙を浮かべて俺のにみてきた。

「友、お願い……私たちが違っていたわ。あなたがどれほど裏で支えてくれていたか、今なら痛いほど分かるの」

かつて見たことがないほど、彼女の顔には疲労と焦燥が濃く刻まれていた。

胸が痛まないわけではなかったが、その同のために、俺が今掴み取ったしいの約束を蔑ろにするわけにはいかなかった。

霞はすがるように俺の袖にを伸ばした。

「私の担当する資料も、全部止まってしまっているのよ。誰もあなたみたいに先回りして気づいてくれないし、省吾君だって今は自分の保で杯で……」

俺は彼女のを静かに遮り、問いかけた。

「霞。君は、俺に何を取り戻してほしいんだ?」

霞は泣きそうな声で訴えた。

「みたいに、私たちを番に優先してほしいの! あなたが戻ってきてくれれば、きっとみたいに全部うまくいくから……!」

俺はしげに息を吐きした。

「……そうか。俺というがいなくなったことよりも、俺が都よくやっていた作業が止まってしまったことに困っているんだね」

霞は顔を張らせ、激しく首を横に振った。

「そ、そんなじゃないわ! 私だって、あなたのことが切だったのよ!」

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